世界の関心が日本の大地震災害に向けられている。特に、福島第1原発で相次いで発生した爆発により、人びとは原子力発電の安全性を改めて議論するようになった。国際原子力機構中国代表団の前団長で中国国防科学技術工業委員会(現・中国国家国防科学技術工業局)システム二局の巡視員である兪卓平氏は17日、中国網(チャイナネット)に対し、福島の原発事故について解説した。

 兪卓平氏は、福島第1原発の放射性物質漏えい事故とチェルノブイリ原発事故はまったく異なるものだと述べた。兪卓平氏によれば、まず原子炉が異なるという。福島原発は沸騰水型原子炉(軽水炉)であるのに対し、チェルノブイリは黒鉛減速沸騰軽水圧力管型原子炉(黒鉛炉)である。

 また、チェルノブイリの原子炉には設計上の欠陥があった。核反応の過程で炉内の圧力が上がるが、チェルノブイリには圧力容器がなく、圧力を逃がす構造になっていなかったため、爆発を起こしたのだと兪卓平氏は紹介した。爆発により黒鉛と破片が飛び散り、放射性物質を含んだちりや破片などが、風に乗って凄まじい勢いで拡散したという。当時発表された死亡者は31人だった。

 福島の原子炉はチェルノブイリのものとは構造が異なっている。しかし、メルトダウンと燃料棒の破損により、放射性物質を含む気体が周囲に拡散した。兪卓平氏は、「気体にはヨウ素やウラニウム等の放射性物質を含んでいるとみられる。しかし、これらの拡散範囲は福島県の周囲約2〜3キロにとどまる。また、99%以上の放射性物質は炉内に残ったままになる」と述べた。

 兪卓平氏は福島とチェルノブイリでは拡散した放射性物質も異なると述べた。福島では放射性物質を含んだ気体が拡散されたのに対し、チェルノブイリでは固体が拡散されたのだという。(編集担当:米原裕子)



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