韓国の教育科学技術部は17日、原子力発電所の事故が発生した福島から飛行機で仁川空港に到着した乗客4人から、許容基準値(1マイクロシーベルト毎時)以上の放射線が検出されたと発表した。韓国の複数のメディアが報じている。

 同部は、日本から入国する搭乗客が放射能に汚染されていないかどうかを検査するため、17日から仁川・金浦空港に各2台、放射線の監視装置を設置した。希望者に限り検査をしていたが、事故が起こった原発のある福島から到着した乗客約300人は、例外的にほぼ全員が検査を受けた。このうち、原発周辺に住んでいた入国者の4人から基準値以上の放射性物質が検出された。

 精密検査の結果、3人の汚染は許容基準値を下回ったという。この内、日本人1人の上着と靴から2.1マイクロシーベルト毎時の放射線が検出されたが、上着を脱いだ後には測定値が正常になったため、入国が許可された。同部は、放射線量が1〜100マイクロシーベルト毎時の場合、脱衣や手洗い程度の処置で問題はないと説明している。

 放射能汚染例が出たことを受け、同部は18日から金海空港と釜山国際旅客ターミナルにも放射線の監視装置を1台ずつ設置すると発表した。

 また、食品医薬品安全庁は、原発の事態が広がると、日本産の農産物の放射能検査を開始。農林水産食品部も日本産の畜産物や水産物、遠洋漁獲物のセシウム量を検査すると明らかにしている。(編集担当:李信恵・山口幸治)



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