不況しか知らずに育ったため、消費やレジャーに無欲で、ライフスタイルは等身大かつ自然体。そんな平成不況育ちの「ゆとり教育世代」を表す言葉に、"おゆとりさま"というものがあります。

 彼ら"おゆとりさま"は何かを評価するときに、男性も女性も揃って「カワイイ」と口にするのが特徴だと、マーケティング会社の代表で書籍『おゆとりさま消費』の著者・牛窪恵さんは言います。実はこの「カワイイ」には、「可愛らしい」だけではない様々な意味が込められているのだとか。

 例えば、「使い勝手がいい」や「自分に近い存在」という意味で、これは自分や誰かの所有物に対して使います。愛用するアタッシュケース(見た目が可愛らしいわけではない)を「カワイイでしょー」と表現し、友人のケータイを「カワイイっすねー」と評価するなどといった具合です。

 牛窪さんはこうした"おゆとりさま"の特徴について、「みんなで『カワイイ』と言い合うことで、共感の意を共有したい」という思いが強いのだと指摘します。誰かにカワイイと共感されれば、自分のセンスに自信を持つことができるというわけです。しかし、これは自信の無さの裏返しとも言えるのではないでしょうか。

 不景気のなかで育った彼らにとっては、「物欲よりもコミュニケーション」を求める傾向があります。仲間内でのコミュニケーションが重要視されるなかでは、「仲間外れ」にならないように振舞うことが、人間関係での最優先事項になりがちです。

 そんなときに、「カワイイ」という「ゆるいキーワード」が、つながりを保つための共通の価値観として機能するのです。

 若い世代がよく口にする「カワイイ」には、こんなシビアな事情が隠されているのです。




『おゆとりさま消費』
 著者:牛窪恵
 出版社:アスキー・メディアワークス
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