東北地方太平洋沖地震によって、通勤や帰宅が困難となった社員に対する就業管理について、日本人材ニュース編集部が各社の対応を確認したところ、3月11日の地震発生当日に、社内に待機したり、宿泊した社員に対しては、業務拘束である場合を除いて、時間外勤務として扱わない会社が多いことが分かった。

 地震発生当日は、帰宅時の混乱を避けるために社内で待機し、そのまま社内に宿泊することになった社員も出たが、「社内待機は安全確保の観点から実施するもので業務拘束ではないとの理由で時間外勤務とせず」(サービス業)と対応している会社が多かった。

 同時に、緊急対策本部等が設置され、就業時間後も被災状況の確認などに従事した社員に対しては、「緊急対策本部スタッフや被災地の事業所との電話番といった形で働いた社員については時間外勤務を適用」(化学メーカー)しており、待機していただけなのか、上司の指示や承認で業務を行っていたのかの違いによって、時間外勤務の適用をシンプルに判断しているようだ。

 また、就業時間を繰り上げて帰宅することを認めた企業では、「勤務先から半径10キロメートル以内は徒歩圏内と判断。対象となる社員は終業30分前に帰宅可として通常勤務扱い」(精密機器メーカー)としている。

 企業の就業管理に詳しい社会保険労務士は、「労働基準法33条の災害時の臨時措置を根拠に臨機応変な対応で問題ない。36協定とは別に必要がある従業員については時間外を指示することで対応可能。終業と退勤時間は分けて考えて良いが、就業時間は明確にしておく必要がある」と解説する。

 週明けの14日以降、交通機関の運休等で通勤できない社員や遅刻する社員に対しては、「自宅待機とした場合や、通常通勤ルートの交通機関が運休で代替交通機関が無い場合は特別休暇として扱う。上司の指示で出社する場合は遅刻とせず、通常通り出勤したとみなす。やむを得ず代替交通機関を利用した場合の交通費は会社負担」(精密機器メーカー)、「交通手段の確保と家族の安全をキーワードとし、柔軟に出社と退社をさせている。いずれも勤務免除として扱う」(サービス業)などの対応が確認できた。

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