[GDC2011]Vol.02 GDCでも目立つ日本人の活躍とは?

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世界最大のゲーム開発者会議「Game Developers Conference(GDC)」が米国サンフランシスコのMoscone Centerにて開催された。会期は現地時間の2011年2月28日〜3月4日(展示会は3月2日から)。GDCは、5月にロスアンジェルスで開催されるElectronic Entertainment Expo(エレクトロニック エンターテイメント エキスポ:E3)や東京ゲームショーといったコンピューターゲーム関連のイベントとは異なり、ゲーム開発者達のカンファレンスが主。一週間を通して650以上のセッションが繰り広げられる。GDCは今年で25回目を迎え、約2万人近い来場者を迎える規模まで成長した。



25周年ということで、会場には大きく「25」がデザインされた垂れ幕が至る所に掲げられていた。記念の特別企画としては「Classic Game Postmortem」という、巨匠開発者達が往年の名作を振り返るセッションが会期中に開催され、その中では、日本から岩谷徹氏が招かれた「パックマン」の開発当時を振り返ったものがあった。



GDCは日本人フレンドリーで、5年ほど前から同時通訳をつけたセッションも行われるようになった。勿論、日本人が講演をする機会も増え、今年は日本人講演者のセッションが9つほど行われた。ここでは、ハイライトの基調講演の模様から、日本からのスピーカーのセッションのいくつかとエキスポの様子を簡単にレポートする。



ソーシャルゲーム、スマートフォンが花盛り


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今年の大きな変化としては、やはりソーシャル系ネットワークゲームやスマートフォン向けアプリケーションが隆盛し、クラウドやブラウザ、ネットワークに関連するものがキーストリームとなってきたことだ。今までモバイルという分野で1つに括っていたものが、スマートフォンゲームやソーシャルゲーム、ブラウザゲームなどに形を変えて、一斉に展開された。スマートフォン向けのゲームコンテンツを扱った「GDC Smartphone Summit」、ソーシャルゲームを扱った「Social & Online Summit」、そしてWeb界の巨人Googleがスポンサーするクラウドゲーミング、ブラウザゲーミングを焦点とした「Google Developers Day」、GoogleのAndroid OSベースの開発者向け「Android Developers Day」など。GDC はアップルが参加しないこともありGoogleが展開するAndroidが一強で、ゲーム開発者の注目度も高い。エキスポ会場でも、クラウド、ブラウザ系、モバイルゲームやツールを紹介するブースが増えた感がある。またMicrosoftのKinectに焦点を置いた「Kinect Developers Summit」や、新進気鋭のゲームエンジン「Unity」を扱った「Unity Track Day」が今年新しく設けられた。



本命はE3か。任天堂岩田社長の基調講演 


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GDCのハイライトでもある基調講演に、今年は任天堂の岩田聡代表取締役社長が招かれた。岩田氏の基調講演は今回で4度目、2009年以来の2年ぶりとなる。岩田社長が登壇する時は、発売前の製品についての最新情報が公開されることが多い。今回は、裸眼立体視ディスプレイを実装した3DSが、日本で発売された直後でなおかつ北米で発売を控えているだけに、この3DS関連の発表についておおいに期待され、会場の前には開始1時間前から長い行列ができた。



Wii に続けでSony moveやXbox Kinectが登場してきたこともあり、Wiiの次なる施策なるものも発表されるかと思われたが、今回は新情報を主とした内容ではなく、市場をリードしてきた任天堂からゲーム開発者へ、賛同を求め、エールを送るメッセージとなった。基調講演の様子は公式サイトにてライブ中継が実施された。また、岩田氏のスピーチは同社の公式サイトで日本語化されて掲載されている。



基調講演のテーマは、 "Video Games Turn25: A Historical Perspective and Vision for the Future(ビデオゲーム25周年:歴史的な視点と未来への展望)"。任天堂でも、昨年は「スーパーマリオブラザーズ」の登場から25周年、そして今年は「ゼルダ」の25周年である。ビデオゲームの歴史を振り返りつつ今後のゲーム作りの課題について、今後の方向性、そして業界を成長させるには何が不可欠であるかを、テレビゲーム業界をリードしてきた任天堂からの独特の視点で語った。



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ニンテンドー3DSで開発中の『スーパーマリオ』が初公開。現在『スーパーマリオギャラクシー』を担当した東京開発スタジオが制作


まず岩田氏から、ゲームプログラマーであった若きし頃の自身の体験を始め、現在の高い開発コストを支えるゲームプレイヤー人口の増加のことや、ソーシャルネットワークゲームについて言及された。続いてゲームプレイヤーからの視点で「MUST-HAVE(必需品:絶対自分のものにしなければならないもの)」として、ハードウェアの「ゲームボーイ」、ゲームタイトルの「マリオ、」「テトリス」、「SIMS」と4つほど並べ、それらを生む要素として「誰にでもアピールできる普遍的な魅力」が重要であると語った。岩田氏は次のMUST-HAVEになるだろう3DSの話へとつなげた。また、3DS対応タイトルを紹介する中で、現在開発中の3D版『スーパーマリオ』のショットも初公開し、現在任天堂の東京開発スタジオが制作を行っていると明らかにした。





Netflixで3D映画視聴が可能に


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3DSの詳細については、Nintendo of AmericaのReginald "Reggie" Fils-Aime(レジナルド・フィサメイ)社長が登壇して行われた。通信機能の強化が図られた新型ゲーム機として紹介。 その中で一番注目されるべき特長は、オンラインVODサービスのNetflixに対応する事だろう。フィサメイ社長は、3DS へのコンテンツ提供についてNetflix社と提携、米国において今夏にも3Dコンテンツが観賞できるようになると述べた。事実、昨年のE3エキスポで当社が3DSについて初めて公にした際、Netflix側でも3DSにて3Dコンテンツを提供することを事前予告として報道発表していた。よって今回は任天堂から公式に発表したことになる。



開始当初は映画のトレーラーやミュージックビデオなどの配信を予定しており、最初はDCコミックの映画化「GREEN LANTERN」の3D映画のトレーラーを配信する予定だ。家電としての裸眼立体テレビも近々登場してくるだろうが、3DSは今現状、専用眼鏡をかけずに3D映画を観賞できる、最初の身近なデバイスとなる。Netflixは、膨大な映画作品やテレビ番組を好きなだけストリーミング視聴できる定額制VODサービスで、会員は1600万人を超える。昨年のNBC Universal、Disney-ABC Television Groupとの契約に引き続き、先月には米CBSとも非独占的契約を結んでおり、米国4大放送ネットワークと主要CATV局で放送されている番組コンテンツをオンラインで提供できる唯一のサービスである。



Netflixのアカウントには6デバイスまでの制限があるが、これで米国ではパソコン、iPhone、Blu-ray、テレビ、ゲーム機、そして3DSのすべてを使ってサービスが楽しめるようになる。日本国内では、5月末には動画コンテンツをダウンロードできる「ニンテンドーeShop」に対応予定。ショップではソフトの販売のほか、日本テレビとフジテレビとの提携で行なう3D動画を毎日配信するサービスが予定されている。そのほかフィサメイ社長から、米通信大手AT&Tとの提携についても語られた。これにより1万カ所以上あるAT&TのWi Fiアクセスポイントを通じ、3DSから自動的にインターネットに接続できるようになる。また、現在3DSは3D静止画の撮影に対応しているが、将来的には3D映像の撮影機能を追加する予定も明らかにされた。ただし、具体的なアップデート時期は発表されなかった。



生き残りのカギ「Innovation:Make the impossible... possible」


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基調講演熱弁を振るう岩田氏


基調講演の最期にはゲーム業界の展望について話が戻され、岩田氏より開発者に向けて、「自らの情熱を信頼し、自らの夢を信じてほしい」とゲーム開発マインドが語られた。ゲーム開発者がすべきこと。それはゲームの原点である「イノベーション」と「誰もが体験したことのない驚きを提供すること」に立ち返らなくてはならない。



任天堂は、不可能なものを可能にしてきた事実として、過去に類のないデュアルディスプレイを実装させたニンテンドーDSを挙げ、ゲーム開発者が市場発展のためにすべきこととして、この2点を挙げた。そして最後に「この25年間、ゲーム開発者は不可能を可能にし続けてきた。ではなぜ今、止まろうとするのですか?」と問いかけ、情熱を信じ、夢を信じることこそ、今のゲーム業界の危機を突破する最良の道ではないかと締めた。

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『スーパーマリオ』 仮のバージョンのロゴ。しっぽの秘密はE3で





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