民主党の土肥隆一衆院議員(兵庫3区)が、日本政府に対して竹島の領有権放棄を求める宣言文に署名していた問題で、新たな疑惑が浮上している。共同宣言が発表された集会で集められた献金が、竹島の警備隊に提供されていた。土肥議員自身が献金したかどうかは不明だが、今後、こうした献金がされる会に出席したこと自体「国益に反した行動だ」との批判を呼ぶ可能性もありそうだ。

   土肥議員は2011年3月10日夕方に開いた会見で、「竹島は日本固有の領土」と強調したものの、終始韓国へのシンパシーをにじませた。問題とされた集会は、国会会期中の2月27日に行われ、土肥氏は「日韓キリスト教議員連盟」の日本側会長として、民主党国対の許可を得て、日帰りで参加した。

男用の朝鮮民族服を着て集会に出る

   会見の冒頭、土肥氏は出席した会について、

「3.1独立宣言の、韓国では大変意味の深い、全国民が自分たちの民族の独立と平和を願う民族として、原点として考えている集会」

   と説明。さらに、自らがソウル出身だということや、父親が当時の朝鮮総督府に勤務していたことから、

「韓国に対して負い目があった」

とも発言。

   さらに、問題の共同宣言の内容を知った経緯について、

「3.1の集会は、みんなこれ(日本からの独立)を祝う。その中に、自分がひとりぽつんといる。背広では寂しいので、チョゴリ、男用の民族服を借りて、それを着て3.1集会に出た。まさに、韓国の独立を祝う会なので、それはいいのだが、そこに、韓国側の国会議員が、私の名前が入った共同宣言を持ってきた」

と、民族衣装を着て集会に出席したことの意義を強調した。

「これまで、日本が韓国に行った蛮行を申し訳なく思う」

   だが、この会の内容をめぐって、さらに波紋が広がりそうなのだ。韓国の「キリスト新聞」が2月28日に報じたところによると、土肥氏は

「これまで、日本が韓国に行った蛮行を申し訳なく思う」

と謝罪。さらに、同紙では、

「この日の献金は、小鹿島のハンセン病患者と独島海洋警備隊に寄付される」

とも伝えている。

   土肥氏がこの集会に献金したかどうかは不明だが、クリスチャンが礼拝に参列する際には、数百円を献金するのが一般的だ。仮に土肥氏が献金していたとすれば、韓国による竹島の不法占拠に手を貸した形で、国益に反するとの批判を呼びそうだ。

   なお、土肥氏は、会見の中で

「(共同宣言の署名が)国益を損ねているという考えはまったくないのか」

と問われても、

「国益というのも抽象的な話で、国益と言えば、あらゆる政治家は縛られてしまう」

と釈明している。今後、土肥氏の「国益」についての認識が改めて問われることになりそうだ。

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