ヨーロッパでプレーするブラジル人選手を頻繁に襲うのがサウダージ(郷愁)だ。FWアドリアーノがローマとの契約を解消した理由もすべてここにある。イタリア『スカイ・スポーツ』に対し、アドリアーノが自らの選択の理由を説明した。アドリアーノはすぐにブラジルへ戻るそうだ。

「心から思うことをしているから、気分は良いよ。クラブと一緒に出て行くことを決めた。僕の問題のためにね。今シーズンはうまくいかなかった。3回ケガをして、最後のケガは最も深刻なものだった。一緒にたくさん話したけど、ここで終わらせようと僕らは決めたんだ」

「最初に戻ったときにブラジルにとどまることもできた。でも、インテルでやったような振る舞いを再びしたくはなかったんだ。インテルで僕はミラノに姿を見せず、状況を解決するために話そうとしなかった。ローマではそれをしたんだ。僕はたくさんのお金を諦めることになる。でも、まずは家族と一緒に幸せでいたいんだ。お金はそれからだよ。とても満足している。僕は堂々と去ることができるんだ。ここで僕が誰かを悪く扱ったことはない。常に全員をリスペクトしてきた」

「ハッピーではあるけど、一方では僕を必要としているかもしれないチームメートたちを助けたいと思っている。でも、これだけたくさんケガをして、もうダメだと分かったんだ。僕はとても繊細な人間で、悲しみに覆われることがよくある。だから、ブラジルへ戻ることを決めたんだ」

「僕には2人の子供がいる。彼らのことが恋しくて仕方ないんだ。すごく深く結ばれているんだよ。電話で話すときは涙が出てくる。もうこれ以上、あの子たちと離れていることはできないんだ。もう僕は29歳だし、自分のことは自分でケアしなければいけない。僕の両肩には多くの責任があるんだ」

2度目となるイタリアでの生活で、何がうまくいかなかったのだろうか? アドリアーノはこのように答えている。

「ケガにかなりやられてしまったと思う。今シーズンは運がなかった。調子が良くなって、良い練習をするようになると、またケガをしてしまったんだ。最初は内転筋で2カ月ストップした。復帰して、1試合に出場し、(クラウディオ・)ラニエリ前監督は僕が良くなっていると見てくれた。そうしたらまたケガをして、足首を痛めて再び2カ月離脱したんだ」

「こういうことがあると、難しいものなんだよ。これまでに今季ほど離脱したことはない。きっと神様が、『ほらみろ、ブラジルへ戻った方が良いんだよ』って言っていたんだろうね。足首の次は肩だった。ミラン戦とキエーヴォ戦の2試合で割と良いプレーをして、でもまた痛みを感じるようになったんだ」

「人生ではこういうことも起きる。選択をしなければいけないから起きるんだって考える必要があるんだろうね。僕はブラジルへ戻ることを選んだんだ」