森見登美彦さん「『ペンギン・ハイウェイ』は一番思い入れのある作品」 徳間文芸賞贈賞式をレポート
 第13回大藪春彦賞(大藪春彦賞選考委員会/主催、株式会社徳間書店/後援)と第31回日本SF大賞(日本SF作家クラブ/主催、株式会社徳間書店/後援)の表彰を行う、徳間文芸賞贈賞式が3月4日、東京・丸の内の東京會舘で行われた。

 大藪春彦賞は、作家・大藪春彦氏の業績を記念し、優れた物語世界の精神を継承する新進気鋭の作家及び作品に贈られる文学賞。第13回となる今回は、平山夢明さんの『ダイナー』(ポプラ社/刊)が選ばれた。
 一方の日本SF大賞は小説、評論、イラスト、映像、音楽など、ジャンルに捉われず、対象年度内に発表されたSF作品の中から、最も優れた業績を選んで顕彰する賞で、今回は森見登美彦さんの『ペンギン・ハイウェイ』(角川書店/刊)、長山靖生さんの『日本SF精神史』(河出書房新社/刊)が選出された。また、特別賞には、SF翻訳家・SF作家で昨年1月に逝去した柴野拓美さんと、翻訳家で昨年2月に逝去した浅倉久志さんが選ばれている。


(壇上で写真撮影に応じる受賞者の皆さん)

 大藪春彦賞を受賞した平山夢明さんは、壇上の挨拶で、「(『ダイナー』は)長編3作目なのですが(賞を)頂けて、自分は運のいい人だと思います」と語り、「頂いた賞金には、もっと頑張って次作を書けというような叱咤激励の意味があると思っていますので、有益に作品を作り出すために使わせて頂ければと思います」と次回作への意欲を示した。

 また、日本SF大賞を受賞した長山靖生さんは、生粋のSFファン。「日本SF大賞のトロフィーという素晴らしいコレクターズアイテムを手に入れたのですから、これを家に持って帰って、あの古本とこの古本の間に置こうか、いや、そっちの古本とこっち古本の間に置こうか、そういうことばかり考えています」と、声を弾ませながらその喜びを語った。
 一方、森見登美彦さんは「『ペンギン・ハイウェイ』はこれまでの自分の書いてきた小説の中でも一番思い入れのある小説で、しかもこれまで書いてきた小説と傾向が違う新しいもの。自分にとっては大切な作品だった」と受賞作への愛着を述べた。

 この徳間文芸賞贈賞式には作家や出版関係者をはじめ、たくさんの人が駆けつけ、大いに賑わいを見せていた。
(新刊JP編集部/金井元貴)

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