ほっと一息、「するめ」のような味わい…深夜食堂

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食に関するマンガは数あれど、1話完結で長年にわたって落語のように「味」ある話を書き続けているものは、そうそう多くはない。中でもこのところ一押しなのが、「深夜食堂」である。

この「深夜食堂」はビックコミックオリジナル増刊にて安倍夜郎さんが連載中のマンガで、繁華街の深夜〜早朝だけに営業している食堂を舞台とした人情味あふれる話が魅力である。サブタイトルには必ずおかずの名前が入っていて、そのおかずは話にとっても重要なポジションで登場してくるのが定例だ。例えば最新7巻では、「甘い玉子焼き」「もち」「ハムカツ」「カツ煮」「朝カレー」といった具合である。これら見慣れたおかずが、「憧れの人が焼いてくれた甘い思い出の玉子焼き」「もち好きの本性は焼きもちやきだった」「ハムカツで思い出す兄弟の絆」のような話に化けるわけだ。

ところで「深夜食堂」は、2009年10月から12月までの間、TBS系列で実写ドラマ化されていたため、映像だけは知っているという方が多いかも知れない。だが、やはり魅力的なのは原作のマンガである。一癖も二癖もありそうながら名前、素性含め全く過去が語られないマスターをはじめとして、準レギュラー(常連客)やその話限りの人物であっても話にまけないくらいの「味」を持っていて、ひさびさに出演してきたとしても「あっ、こいつは」と思い出すこと間違いなし。原作者の安倍さんがコンスタントに淡々とした話を生み出し続けていることも驚異的だ。

派手な料理もキャラクターも出てこず、鮮烈な味付けもないけれど、クセになって何度も読んでしまう。「深夜食堂」はいつまでも渋い味が楽しめる、名実ともに「するめ」のような深いマンガなのかもしれない。

(中山 記男) http://airoplane.net/



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