相撲界の外国人枠に翻ろうされる海外出身力士

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 高島部屋に所属していた元幕下・大天霄(だいてんしょう)こと、高山健氏(旧名:ノロジンハンド・アユルザナ=26)が、無断で出された引退届により解雇されたとして、解雇無効確認や給与支払いを求めた仮処分申請について、東京地裁(伊良原恵吾裁判官)が日本相撲協会に対し、3月から2カ月ごとに15万円(場所手当相当)の支払いを命じる決定を、2月25日に出していたことが分かった。代理人は「解雇無効が認められず、支払額も請求の一部にとどまった」として、即時抗告などをする方針を明らかにした。

 大天霄は01年3月場所で初土俵。最高位は関取目前の幕下7枚目まで昇進したが、10年7月場所限りで、本人の合意なく、師匠の高島親方(元関脇・高望山)に引退届けを提出されたと主張している。最後の場所の番付は幕下10枚目だった。

 モンゴル出身の大天霄は09年11月に日本国籍を取得している。相撲界には外国人枠が存在する。かつては、1部屋2人以内、全体で40人以内の規定であった。これが、02年に40人枠が撤廃され、1部屋1人に変更された(変更時点で1部屋2人いた場合は可)。ところが、複数の外国人力士を所属させるため、親方が半ば強制的に帰化させる例が後を絶たなかった。大天霄もそのケースと思われる。この現状を是正するため、10年2月に外国人力士枠が外国出身力士枠に変更され、外国出身力士は帰化者を含め1部屋1人のみとされた。これにより、大天霄らが帰化までした意味はなくなった。

 高島部屋には大天霄をクビにした直後の10年9月に、モンゴル出身の10代の青年が入門。この青年はいまだ新弟子検査を受けていないもようで、大天霄との関連性は不明。だが、外国出身力士が1人しか在籍できないため、高島親方が大天霄を切って、この青年を選択したと見る向きもある。

 帰化までしたのに相撲界を放り出された大天霄は、外国人枠に翻ろうされた犠牲者のひとりなのかもしれない。
(ジャーナリスト/落合一郎)

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