浅倉大介やDECO*27と一緒に国家プロジェクト!? 二次創作ワークショップとは?

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3月1日、『ニコニコ生放送』にて『二次創作ワークショップ2』が行われた。本番組はプロのミュージシャンと一緒に二次創作を楽しんで学ぶワークショップ。 DRM(デジタル著作権管理)を使い“二次創作の見える化実験”を行っていく。 番組は全4回を予定。今回はワークショップの主旨紹介と課題曲の提供が行われ、更に出演者による即興での課題曲アレンジおよび生演奏が行われた。

番組はMCであるYUMIKO氏から、出演者である日本シンセサイザー・プログラマー協会(JSPA)会長の松武秀樹氏、同協会副理事長の氏家克典氏が紹介。 またゲストのボカロPであり課題曲の提供者でもあるtoku氏も加わり、計4名により第1回の放送は進められた。
YUMIKOさん
そもそもこのプロジェクトの主催は“音楽コンテンツ流通促進協議会”だが、大元は総務省の『音楽コンテンツの流通促進に関する調査研究』に基づいている。 つまり国の調査研究の一環だ。 こう書くと分かりにくいが、要は「著作権ってなに?」、「デジタル著作権をどうしたら良いの?」、「コンテンツを上手く流通させるには?」、「未来の音楽シーンをより良いものにしていこう」といったことをユーザーと共に考える内容だ。

ワークショップの流れとしては、まず本プロジェクトに賛同した音楽アーティストが“課題曲”を提供。 課題曲は二次創作し易いようボーカルパートやギターパートなどトラックごとに分かれユーザーへ渡される。 今回提供された楽曲を元に次回以降ではユーザーが思い思いに編曲・アレンジしアップロードしてもらい、出来上がった“二次創作物”を番組内で紹介していく。 更に“二次創作物”に他のユーザー達が歌を吹き込み『三次創作物』を作り品評会形式でコンテストも行われる流れだ。

二次創作ワークショップの流れ

冒頭で“二次創作の見える化実験”と書いたが、では何をもって"見える化"なのか? ここで利用されるのが『NEXTWAVE』だ。 これは二次創作・三次創作を追跡するシステムで、これにより一次創作物を誰が・どのように派生させていったかを把握することができる。 ちなみに番組中では『ニコニコ動画』のタグ機能が今回の実験と同じ役目を果たしているのでは? と話題にもなった。

今回の放送ではこのような実験が行われるが、注目したいのは本プロジェクトに賛同し、協力するアーティスト達。 以下にその6組を記載する。 (※『』内は楽曲名)

1)浅倉大介 『Meme crack-ハルカ カナタのMajorへ』
2)SweetVacation(スウィート・バケーション) / Daichi、May 『Magic Smile』
3)DECO*27(デコ・ニーナ) 『ペダルハート』
4)GARNiDELiA(ガルニデリア) / toku、MARiA 『Hands』
5)SAMURAI KIT HOT featuring AiU RATNA(サムライ・キット・ホット) / AiU RATNA、藤井丈司、Watusi 『96Z(クローゼット)』
6)FROG / 沖井礼二 『METAMORPHOSIS』
7)FROG / 沖井礼二 『聖者の日々』

見れば分かる通り豪華なラインナップであり、これらミュージシャンが自身の曲をパート別・トラック別にに提供する点でも非常に贅沢だ。 提供者であるtoku氏も放送中に「実際にはあんま見せたくない」と言っていたように、普段知ることの出来ない音源に触れられるという意味でも貴重な機会だ。 堅苦しい説明も多かったかもしれないが、気軽にダウンロードし各々でその楽曲をアレンジしてみて欲しい。 また放送終了後、出演者の皆さんと本番組のプロデューサーにインタビューを行った。 以下にその内容をお届けする。

氏家克典さん
−お疲れ様でした、放送を終えての皆さんの感想をお聞かせ下さい。
−氏家氏:(準備から放送までの期間が短く)ギリギリの中でやっていたんですけど、うまくいったんじゃないでしょうか。

−YUMIKO氏:ワクワクが増しました。実際に自分でも(即興で演奏を)やってみて「あー、こんなもできる」「あんなのもできる」と体感できた。 面白いことが起こりそうだな、と。

−toku氏:ニコニコ動画のユーザーだったら、歌ってみたとかアレンジしてみたとか結構盛んに行われている現状があるじゃないですか。 でもやっぱり普通のメジャーアーティストの楽曲は普段触れられないわけで。 それが正面から「やってもいい」っていう状況にあるこの企画って凄い面白いなって。 そこには凄く可能性も感じるし、まぁちょっと心配なこともありますけどもそれも含めて全部が面白い企画だな、と思って楽しみにしています。
GARNiDELiA(ガルニデリア) / toku

−心配なこととは?
−toku氏:例えばデータがそのまま流出というか。 ほぼ不特定多数の人に渡るような状況になるわけじゃないですか。 それがいったいどんな流れで、ウェブを中心にどんな使われ方をしていくのかってのは凄く心配な部分ではありますけども。 一応規約を守ってもらえればその問題はないんですけど、他の部分ってのはちょっと心配なところですかね。

−ありがとうございます。 松武さん、感想をお願いします。
−松武氏:こういう著作権と芸術のことって非常に難しいじゃないですか。 この『ニコニコ生放送』の中でいかに難しい部分(を説明するか)とか、またジャスラックが絡むと「また金か!」となるし(笑)。そうじゃなくて、何故このようなことをしなければいけないかっていうのをね(掘り下げないといけない)。 最後に皆で「あー、そうだったんだ!」としたいですね。 そうしないとコンテンツは広がらないし、どんどん縮小する方向にあるので、それを広げるには、こういう番組で拡散していかないとダメなのかな、と。 そういう意味で後3回頑張っていきたいなと思っています。
松武秀樹さん

−この放送を通じて伝えたいこととは?
−松武氏:伝えたいことはたくさんあるんですけど簡単に言っちゃえば規則を守って、ルールを守って音楽を広めようね、と。 二次創作っていうのはアレンジとまたちょっと違うんですよ。 DJの方がやられているのはリミックスっていいますが、あれも二次創作。 いかに一次創作した人をリスペクトして新たな世界を作っていくかっていう、そこは一次創作した人に対してもフィードバックをし、二次創作した人は一次創作した人に「ありがとう」というね。 お互いに「ありがとう」という気持ちになれる、それが一番大事なことで。 (DRMが)違法配信を防ぐとかそういうことではなくて、自ずからこういうことをお互いリスペクトし会えれば(違法配信は)一切なくなるという風に思っています。
二次創作ワークショップ2

−氏家氏:今後ネットを使った色んなことっていうのは例えば遠隔地で色んな人たちがやるとか内部じゃなきゃできなかったこととか、色んな可能性があったじゃないですか。 (今は)そんな中でみんなどうすればいいんだろう?とクエスチョンマークが一杯つきだしているんだけども、テクノロジーやアイデアが物凄い先行しているって時代ですね。 そういった面で、こういった番組がそういった人たちを助けると思っていて、「安心してくれ」となれれば最高ですね。

−楽曲提供者であるtokuさんへ、楽曲提供にあたり何か改めて希望することはありますか?
−toku氏:想像がつかない方向ってのがひとつ面白いとこだと思うんだけど、普通に音楽やる人だけじゃなくて初めて投稿する人でもいいと思うんですけど、色んな可能性があると思うんで。 本当にそこは未知なところが面白いかなと思っています。 (好き放題やってくれと?)好き放題でいいと思います。

松武秀樹さん
−最後に、そもそもDRMって存在は必要なんでしょうか?
−松武氏:うーん……良い質問だ(笑) ……やっぱり自分の一次創作したものがどこへ出てって、どのような姿に変わったかを追跡することは絶対に必要なんで。 ライツマネジメントする上でこれはもう切っても切り離せないんで必要だと思いますね。 今回やっていることが一つの実験なんでね、最後の答えっていうのはまだまだ出てないと思うので、それはみんなで実験の結果を元にもっともっと良いものを作っていかなきゃいけないなと思っています。

−ありがとうございました!

続いて本番組のプロデューサーであるニワンゴ取締役木野瀬友人氏にお話を伺った。
木野瀬さん

−この番組のテーマ、全4回の放送を通してどういう目的があるのでしょうか?
(今回の実験結果の)データの何が良い悪いっていうのはないんですよ。 ただ二次創作とか三次創作を通して今のDRMや、将来のDRMってどういった問題点があるの? と。 今のDRMって二次創作に対応していないじゃないですか。 コピーできないし、作り変えることもできない。 だから一旦できるようにして二次創作に対応したDRMってのを想定で作ってみて、じゃあできたときに「どんな問題点があるの?」、「そういうのを悪用されたらどうするの?」という問題を洗い出すんですよ。 そういうところを最終的に(番組の)落とし所として作るということ(も目的の一つ)ですね。

もともと(現状の)音楽って二次創作をされて、例えばニコニコ動画に流通しているのを想定しえなくてDRMというのは設計されていたんですね。 コピーが出来なかったり、規定の端末でしか再生できないとか。 (つまり)ネット技術が進化してきて、この先どんどん流通した場合、今はルール制度が追いついてない状態なんですね。 今回、総務省の大元の実験は『音楽コンテンツの流通促進』に関わる実験なんですが、その時にルール制度が追いついてないよね、と。 で、二次創作まで含めた場合どういった感じの仕方があるのかな?がそもそも(の番組の目的です)。
YUMIKOさん 氏家克典さん
実際に二次創作以降に関しては『ニコニコ動画』からどうコンテンツが落とされて、誰が創作して、どういうアップロードをされているのかを経路を追いましょう、という形で実験しています。 曲を提供している皆様にはこの旨、(二次創作の)許諾を得ています。 (代わりに)権利者に(情報を)フィードバックするという。 最終的に権利者が自分の曲が二次創作・三次創作されるまで、どういう風に使われていくのか、(また)見たいという所をどういうシステムで作っていくのかが重要であって。 今まで権利者が見えないから「怖い」、(だから)「出したくない」となっていたんですが、そこまで見えて二次創作を認めるか認めないかを判断してくださいっていう(試みです)。 そういう意味で権利者にも『見える化』になるわけです。
GARNiDELiA(ガルニデリア) / toku

−どういう気持ちでユーザーさんには参加して欲しいですか?
難しくしようと思えばどんだけでも難しく出来るんですけど、そういう風に考えないで、ただ浅倉さんのファンだとかDECO*27さんのファンだとか思って(もらえれば)。 コラボしたいけどできないって気持ちがあるじゃないですか、ちょっとモヤモヤした気持ち。 そういう鬱憤(うっぷん)を晴らすために、是非二次創作や三次創作に関わって、あたかもコラボしたような気持ちになって満足してもらいたいですね。

重要なのが二次創作することによってやっぱり自分が手を加えた曲なんで、自分の名前をのせて欲しいってあるじゃないですか。 それがそもそも(著作権を管理する)DRMの始まりなので。 実際に作ってみて勝手に使われて嫌だよね、ってのを作り手が気付いていく。 その気付きがあれば、(それは)ある意味本質的なところなので、権利者も自分の曲がせっかく作ったのに勝手に流通したら嫌だよね(となる)。 それって全員に共通するところなので(それを感じて貰えれば)。

−つまり今回、編曲したユーザーの名前ものっかるわけですか?
のっかります。誰が創作したかもトレースしていくので「私が創作しました」っていうのが正面切って言える。 それが本来の権利管理なんですが、それをユーザーさんも体験しましょうよ、と。
二次創作ワークショップ2

−最後に一言お願いします。
『ニコ動』と音楽業界って対比してみると、『ニコ動』は未来な世界だと思っていて、デジタル的な世界で『ニコ動』って、国がうらやましがるようなシステムや生態系になっているんですよ。タグ検索の話だったり二次創作を「勝手ににやっていいよ」って話とか。 だから音楽業界もそうならざるを得ないのかな?という何となく感覚的なものがあるので、たぶんそこに近づけるために(国や音楽業界の)人達が頑張っていると思うので、皆さんご協力ください!

−ありがとうございました!

前述した通り、このワークショップは開始されたばかりだ。 楽曲の提供は開始されたが、二次創作物作品の募集は3月7日(月)〜13日(日)までとなっている。提供楽曲のダウンロードや詳細な情報は下記の特設サイトにて行われている。 番組中にも説明されたが、気軽な気持ちで是非このワークショップに参加してみて欲しい。

二次創作ワークショップ2特設サイト
http://info.nicovideo.jp/nijiworkshop2/


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