30代のサラリーマンたちに聞く“私の20代の働き方”
 今、「20代の働き方」が大きく揺れている。
 終身雇用制度の中においては、20代の社員たちは“新人”や“若手”扱いされ、上司や先輩から与えられた仕事をがむしゃらにこなしていくことで評価された。それがその会社で生きていくためのルールを覚えることにつながるからだ。
 しかし、不況によって大企業の経営不振が相次ぎ、それと同時に本格的な終身雇用制度の解体も進むようになった。最初に就職した会社で働き続けるケースは少なくなり、転職を視野に入れながらキャリアアップを積み重ねていくという時代に変化しつつある。

 29歳の若さでSAPジャパンの副社長補佐に抜擢、35歳で営業企画本部本部長に就任した金田博之さんは『29歳からの人生戦略ノート』(日本実業出版社/刊)で、20代後半は公私問わずさまざまな変化が訪れ、自分の将来を見直す時期であるとつづっている。
 キャリアを強く意識する30代を充実して送るためには、20代の間からしっかり目標を定め、基礎を固めていかなければいけないというのはもはや定説である。しかし、どのように20代から働くべきなのか、何をすべきか分からない人は多いだろう。
 新刊JPニュースでは「20代の働き方」というテーマで、30代のサラリーマンたちは20代を振り返ってどのような働き方をすればよかったと思っているのか、様々な本に見る20代の働き方、そして将来の不安を解消するための具体的な方法を3回に渡ってお送りする。

■30代のサラリーマンたちに聞く、“私の20代の働き方”
 第1回となる今回は30代のサラリーマンに対し、20代にどのような働き方をしていたのか、今振り返ってみて後悔していることについて聞いた。

1、Tさん(37歳・営業職)
 Tさんは営業職一筋の37歳。前の会社では営業部次長まで上り詰めたが、転職した。
 そんなTさんは自らの20代を「働きすぎだったね」と振り返る。会社の中での立ち位置だけを考え、がむしゃらに働いてきた。だからこそ、若いながらも営業部の次長という役職に抜擢された。
 しかし、Tさんが出した結論は「仕事に埋もれる人生」ではなかった。
 「当時は学生時代の友人たちと全く連絡も取らなくなるくらい、仕事のことしか考えなかった。今思えば、ものすごく視野が狭かったね。だって俺には会社しか見えていないんだもの。でも、あるとき“今、自分が成長しているといっても、結局はその会社でしか通用しないものだ”ってふと気付いたんだ」

 お金はあるけれど仕事しかない生活と、お金はそこそこだけれどたくさんの友人たちとつながりがある生活。20代を前者で過ごしてきたTさんは、岐路で後者を選んだ。Tさんが自らのビジョンを持った瞬間といえる。
 最後にTさんは「20代から続けていることは飲みに行くこと。これだけは外せないね」と笑いながら話した。

2、Sさん(32歳・技術開発職)
 Sさんは現在IT系の会社で開発職を行っており、的確な仕事で後輩から慕われる存在だ。そんなSさんはどのような20代を送ってきたのだろうか。
 「こうなりたいっていうロールモデルはもちろんあったよ。それは会社の上司や先輩の姿を見て、ああいう風にはなりたいな、ああいう風にはなりたくないなっていうのが。20代の頃って同期とあまり差が生まれないからね」

 Sさんはその会社の中で、自らロールモデルを探し出し、目標として立てていたようだ。
 そして、「20代のうちはなかなか実感がわいてこないかも知れないけど、やっぱり30代や40代になってくると同期とも差がついてくるんだよね。異動とか、左遷とかさ。それってやっぱり20代のときの働き方が影響してくるのかなと、僕は思うよ」とSさんは続ける。
 また、Sさんは個人的にはもっと上司や先輩に意見を言うべきだったかも知れないと話す。同期に愚痴をこぼしているだけでは、何も変わらない。そんな風に話すSさんをロールモデルにする後輩たちは、多いのではないだろうか。

3、Mさん(30歳・技術開発職)
 同じく技術開発職のMさんは今年で31歳となる。20代について振り返って欲しいとお願いすると、しばらく考え込んだあと、自分の半生について語り出した。
 Mさんが最初に就職した会社で任された仕事は、大規模システムの中の一部分の保守・運用だった。「最初の頃は淡々と仕事をこなしていたね。でも、だんだん、自分が何の仕事をしているか分からなくなっていってさ。エンドユーザーも見えないし、クライアントも分からない。必要な仕事なのは分かるけど、なんなんだろうって」。

 就職から3年後、Mさんは転職。今では、自分の作ったものがどのようにユーザーに受け入れられているか、何をもたらしているかが分かる仕事をしている。ただ、「もう少し最初の会社で踏ん張っていれば良かったと思うこともあるよ」とも語る。
 Mさんは「自分のやりがいとは何か」を20代のうちに自ら見出せた。それが結果につながった。そして、最後にこんなアドバイスもくれた。「俺がいうのもなんだけど、20代ってやっぱり人間形成の時期だと思う。それはどんな業界でも変わらないよ」。

 インタビューに答えてくれた人は、三者三様の20代を過ごしてきた。しかし、いずれの人も20代の後半で何らかの形で自分に最も適して働き方を見つけ出し、今、その働き方を実践している。

 
 冒頭で紹介した『29歳からの人生戦略ノート』には、こうした充実した30代以降の働き方を得るために、「戦略」が重要であると述べている。そしてその「戦略」をまとめるために自分を振り返る「人生戦略ノート」をつけることを提唱している。

 第2回となる次回は、世に出版されている「20代」をテーマとした様々な本から、どのように自分の人生の「戦略」を考えるか参考にしたい部分を紹介する。「そもそも将来のことなんか分からない!」という若手ビジネスマンは、是非注目して欲しい。
(新刊JP編集部/金井元貴)

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