「特撮映像館」、今回は松竹の「怪奇シリーズ」第2弾として公開された『吸血髑髏船』。スリル、サスペンス、エロティシズムの怪奇娯楽作品です。

松竹の怪奇シリーズ第2弾として制作、公開された本作は、モノクロで怪奇な雰囲気を盛り上げている。
特撮は「日本特撮映画株式会社」が協力という形で参加し、クレジットには川上景司らが確認できる。本作での特撮は主にミニチュアワークということになるだろうか。主役とも言うべき幽霊船と化した貨物船や、舞台となる教会を含む岬の景色など、なかなか見事な作りだ。また薬品による人体の溶解シーンもあり、人物との合成はともかく、溶解シーンそのものはよくできている。

岡田真澄演じる悪人グループのボスは顔の右半分に火傷の痣があるという設定だが、DVDに収録されたインタビューによれば、特殊メイクというよりは、スキンヘッドのカツラからつながる「かぶりもの」だったという。また、低予算でオールロケでの撮影だったとのこと。貨物船の内部もセットではなく廃船で撮影されたようだ。

冒頭で殺されてしまう松岡きっこが、タイトルバックのあと再び登場し「これはなにかあるな」と思わせるのだが、けっきょく双子の妹という設定だったりするのはいささかガッカリさせるものがある。とはいえ双子の妹という設定を生かしたストーリーではあるので、もったいぶらずに説明してしまってもよかったのではなかっただろうか。

キャストには金子信雄のほか小池朝雄といった個性派俳優が出演しているのでその意味でも見応えはある。怪奇は謳っていても謎解きな印象も強く、全体として2時間ドラマ的な感じを受けた。

松竹の特撮というと『ギララ』『ゴケミドロ』の2本の印象が強く他の作品がかすみがちではあるが、本作のような秀作もあったことは広く知られていいだろう。

それにしても、松岡きっこ、キレイだったのですね。

監督/松野宏軌
キャスト/松岡きっこ、入川保則、岡田真澄、金子信雄、西村 晃、ほか。
1968年/80分/日本

■ライター紹介
【猫目ユウ】

フリーライター。ライターズ集団「涼風家[SUZUKAZE-YA]」の中心メンバー。
『ニューハーフという生き方』『AV女優の裏(共著)』などの単行本あり。
女性向けのセックス情報誌やレディースコミックを中心に「GON!」等のサブカルチャー誌にも執筆。ヲタクな記事は「comic GON!」に掲載していたほか、ブログでも漫画や映画に関する記事を掲載中。  

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