中国との国境に近い北朝鮮の新義州(ウィジュ)で18日、住民数百人と当局が衝突し、死傷者が出たと報じられた。このところエジプト、チュニジア、リビアなど世界各地で反政府デモが起こり、ついに北朝鮮国民も立ち上がったものと思われた。

ところが、韓国統一部は24日午前、公式的な声明を発表。「現在のところ、北朝鮮でデモが発生したとの情報は得られていない」とし、この報道を一蹴。また「近日中に大規模な混乱は発生しないだろう」としており、日本でも報じられている内容と明らかに食い違っているのだ。

韓国の報道によると、このところ北朝鮮国内では、公権力に反発する動きが度々みられるのだという。公表された北朝鮮での騒ぎは次ような事件だ。

RFA(米政府系放送局のラジオ自由アジア)は、今月初めに北朝鮮の咸鏡北道(ハムギョンプクド)清津(チョンジンシ)で、前保安処長が住民によって殺害される事件が発生したと伝えている。住民の投石で死亡した前保安処長は、約14年間にわたって保安処で監察課長、捜査課長などを歴任。住民たちの言い分を無視して数十名を摘発、強制収容所に送っていたという。このため恨みを買ってしまい、復讐により殺害されたようだ。事件の調査に乗り出した保安処関係者らは、背後に収容所からの出所者がいるとみて捜査している。

また、金正日(キム・ジョンイル)総書記の誕生日2日前の14日には、平安北道(ピョンアンプクド)で、住民数十人が米を巡って騒ぎを起こしている。現在、国家安全保衛部が、該当者を特定しようと動き出したとの情報もある。

さらに今年初めには、咸鏡北道(ハムギョンプクド)延社郡(ヨンサグン)で生活苦に耐えかねた住民が、全ての薪を回収していった山林監督隊の監督員を殺害したほか、出勤中の軍官が自転車を奪われる事件も発生しているのだ。

これらの事件を例に挙げ、報道機関は「積み重なった住民の怒りが、爆発したのではないか」と、デモ発生の確信しているようだ。しかしなぜ、韓国統一部がデモの発生報道を覆す声明を出したのかは、今のところ不明だ。

いずれにしても、中東で発生した民主化の動きに、北朝鮮当局は危機感を強めているだろう。自国にも飛び火するのはないか、と情報遮断に躍起になっているとされるが、果たして国民は今後どう出るのだろうか。

参照元:ソウル新聞(韓国語)

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