お笑い芸人を目指す理由ひとつに、“女性にモテたい!”というのがあると聞く。だがそれは、ある程度有名になってから実現するものであろう。それなのに我が家の杉山はテレビに出はじめた頃、無謀にも大物アイドルを映画に誘うという、とんでもない行動をしていた。

2月20日の『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)に出演した我が家。特にメンバーの杉山は司会の島田紳助から、「お前は、人間と“猪”のハーフだろう。」とイジラれ続けていた。そんな常に容姿を話題にされる杉山だが、ずーっと憧れ続けていたアイドルがいた。今でいうAKB48と同じ、国民的アイドルだったグループのメンバーである。

今から5年前、あるドラマの仕事が入った杉山。その台本を読んで驚き、天にも昇る気持ちになった。そこには、“安倍なつみ(元モーニング娘。)”の名が載っていた。杉山が学生時代から、大好きだったアイドルである。
撮影当日に現場に赴き安倍なつみを見ると、「実物の方が、TVよりも可愛いなぁ。」とすっかり舞い上がってしまった。その後メイク室に入ると偶然にも、安倍が鏡の前に座っていた。杉山はハリキって、「お笑いをやっている、杉山です。」と自己紹介をした。すると彼女もニッコリと笑って、「よろしくお願いします。」と返してくれたのだ。

「もう二度と、彼女に会うことは無いかもしれない。」と、杉山は思った。もしこれから芸人として売れたとしても、安倍なつみと共演する機会があるとは思えなかった。当時の彼の月給は3万円しかなかったが、そんなことは考えているヒマなど無い。このチャンスをモノにしなければ―。
気さくな安倍は、杉山と普通に喋ってくれた。休みの日はよく、映画を見に行くという。すると杉山は大胆にも、「今度一緒に映画を見に行きませんか?」と彼女を誘ったのだ。それを聞いた安倍は明らかに戸惑いをみせて、「今日、初めて会ったばかりですから…。」とやんわりと断った。すると「じゃあ、食事でも―。」という杉山の言葉を遮るように、「また、誘ってくださいね。」と彼女は早口で答えると、そそくさとメイク室を出て行ってしまった。

「よく、やるよなぁ。」と呆れた声がスタジオ内から上がったが、「二度と会えないかもしれない。」と果敢に安倍なつみに声をかけた杉山は、結果はどうであれ後悔している様子は無い。しかし安倍はこの件について感想を求められ、VTRで「(杉山と)会ったことさえ、覚えていない。」と大笑い。モーニング娘。の中でもトップクラスの人気があり、今でも男性ファンの多い彼女のことだ。男性から好意を寄せられデートに誘われるなど、日常茶飯事だったので気にも留めていなかったのであろう。
覚えられていなかったことには、さすがに一瞬落ち込んでいた杉山。しかし周りから、「イケメンの坪倉(我が家)でもあるまいし、図々しい。」と馬鹿にされるが、最後まで元気に反論しパワフルな杉山であった。
(TechinsightJapan編集部 みやび)

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