「走者一・三塁」、あなたならどう指示する?

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 プロ野球の試合の中にはいくつもその結果を決定付けるような痺れる局面がありますが、その中でも特に盛り上がるのは「走者一・三塁」の場面でしょう。
 「イニング」「点差」「アウトカウント」「バッターの打力」「三塁走者の走力」など、さまざまな要素によって守備側も攻撃側も打つ手が変わるこの局面は、4球団で監督を歴任してきた野村克也監督のミーティングの中でも1つの項目として存在するほど奥深いものです。

 野村監督の愛弟子として数々の名選手を指導してきた橋上秀樹さんが執筆した『そのとき野村が考えていたこと』(洋泉社/刊)では、この「走者一・三塁」について丸々一章分を使って説明しているので、ご紹介したいと思います。

 「走者一・三塁」はさまざまな攻め手が考えられます。
 本書では「盗塁」(ダブルスチール)、「バント」(スクイズ)、「強攻」(ヒットエンドラン、犠牲フライ)、「ギャンブルスタート」が解説されています。
 例えば「盗塁」(ダブルスチール)。ダブルスチールをする場合、「捕手の二塁直行送球で、捕手の手から離れるか離れないのか」のタイミングで三塁走者はスタートを切る必要があります。そのため、ダブルスチールのサインは「相手捕手が必ず二塁に送球する」という根拠がなければ出さないと橋上さんは言います。
 その根拠とは、やはり「データ」です。実際に日本ハム戦でこのダブルスチールを敢行したことがあったそうですが、それは「日本ハムは試合前半なら、捕手は二塁直行送球をする」というデータが根拠にあったからです。
 ちなみに、このときの三塁走者は山崎武司選手で、一塁ランナーが挟まれてアウトになっている間に見事ホームインし、その1点が決勝点となり、勝利を収めています。山崎選手は俊足とはいえませんが、三塁走者は俊足でないほうが、捕手が二塁送球をすることが多いと橋上さんは指摘しています。

 プロ野球ファンならテレビの前にいると、自分が監督になった気分で「あのプレーはいかん」「あの采配はおかしい」と言ってしまうものですが、その現場では、スコアラーをはじめとした裏方スタッフたちが積み重ねたデータをもとに、監督やコーチたちが最良の結果を出すための戦術を練っています。
 もしプロ野球中継を見ていて、「走者一・三塁」というシーンに出会ったら本書のことを思い出してみてください。そして、それまでの試合展開やイニング、アウトカウントを踏まえた上で、自分ならどう指示を出すのか考えてみてはいかがでしょうか。
(新刊JP編集部/金井元貴)

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