人間は1日後には覚えた知識の7割以上を忘れる

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 少子化が社会問題としてクローズアップされている裏側で、中学受験をする児童数は増えているといわれています。その要因には中高一貫校の増加などがあげられますが、この不況下で、子どもに安定した職業について欲しいという親心もあるのではないでしょうか。

 中学受験のため、子どもたちは勉強をしなければいけません。
 しかし、彼らにとってみれば、“どうして自分は勉強しているのか”“何の目的を持って勉強するのか”ということが分からない限り、それは360度水平線の大海で一人泳いでいるようなもの。親が子どもの羅針盤となるには、どうすればいいのでしょうか。
 『夢をかなえる中学受験物語』(野田英夫/著、KKロングセラーズ/刊)は、とある小学6年生で受験生の男の子の1年間を描く物語を通して、親子の受験の心得や勉強方法を教えてくれます。ここでは本書の中から、受験する際に覚えておきたいいくつかのトピックをご紹介します。

■復習が大事な理由は、“人間は忘れる生き物”だから
 勉強は「復習」が大事だとよく言われます。本作に出てくる大輝君も、まず徹底的に勉強の復習をするところからスタートします。それはどうしてか。
 人間は1日後には、覚えた知識の74%を忘れるからです。
 それだけではありません。わずか20分後には知識の42%、1時間で56%を忘れます。これは「エビングハウスの忘却曲線」として知られており、いかに人間はすぐに忘れていくかを示しています。
 復習は、忘れてしまった知識を思い出すために非常に有効な手段。さらに復習は一度だけではなく二度以上行うとどんどん有効になります。もし、子どもが覚えた気になって復習しない姿勢をとっていたら、いかに人間が忘れていく生き物か説明してみてはいかがでしょうか。

■効果的な「子ども先生」という学習方法
 ちょっと前、「子ども店長」が流行りましたが、ここでは「子ども先生」です。
 実は、教えるということは、子どもの「理解」を定着させる際に大きな効果を発揮します。
 他人に説明する際には、その物事の本質を噛み砕き、様々な例を使いながら解説しなければ、なかなか伝わらないのです。逆に言えば、説明できるということはその物事をちゃんと理解していることになります。
 特に小学3年生や小学4年生のお子さんには、「今日は何を勉強してきたの?」と質問してあげてください。子どもは積極的に学習してきたことを説明するはずです。それだけでも、学習の理解は深まります。

■成績が上がらなくても親は気にしない
 この物語の中で、大輝君は2度、つまづきます。1度は小学5年生のとき、そして受験をもう間もなくに控えた秋の暮れです。急に成績が上がらなくなるのです。
 こうした停滞期は必ず起こります。そんなときに親御さんが気持ちを乱してしまうと、当の受験生である子どもに大きな影響を与えてしまいます。確認しなければいけないことは「受験は子どものためにある」ということ。もっと言えば、「子どもの夢のためにある」ということです。
 親が子どもの気持ちをそっちのけにしてはいけません。あくまでも主役は子どもであるということを肝に銘じましょう。

 また、中学受験に対してあまり快く思わない方もいるでしょう。しかし、本書の著者であり、「早慶道場」塾長として多くの子どもたちを指導してきた野田英夫さんは「受験は競争を経験できる貴重なチャンス」と言い、受験は社会で生き残っていくための競争力を養う場であるといいます。

 中学受験を控えたお子さんや将来受験させようと考えているお子さんがいる人にはもちろんのこと、読みやすく物語仕立てになっているので、お子さんに読んでもらうのもいいでしょう。「受験」とは何か、その認識が大きく変わるかも知れません。
(新刊JP編集部/金井元貴)

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