もはや「地方から若者がいなくなる」のは前提では

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 出張や観光で地方に滞在する。テレビをつける。全国ネットのワイドショーやドラマの合間に、地方局が制作した番組やCMが流れる。聞き慣れない方言や素朴な構成を楽しく見ながら、日本も多様なんだなあと思ったりする。

 テレビだけではない。新聞にも地方紙があり、地元に密着した記事を掲載している。そして、多くの地方紙は、朝日・読売・毎日などの大新聞よりも、地元では読まれている。ネットでも「47NEWS」というサイトで、地方紙の記事が読める。

 今回は、岩手県の地方紙「岩手日報」(2011年2月8日付)の「風土計」というコラムを取りあげたい。内容は、就職する若者が東京に吸いあげられて、地方が空洞化しているという話である。

 コラムでは、東北経済産業局の幹部から見せられた高校新卒者の就職先に関する資料を見て、記者が「がくぜん」としたところからはじまる。東北や九州から「猛烈な勢いで若者たちがいなくなっている」からだ。

 若者の行き先は、東京。就職で別の地域へ転出する人数よりも、転入する人数のほうが、ほかの道府県よりもずばぬけて多いのだという。こうした状況について同幹部は、「だからこそ、東北は企業誘致が重要。自動車産業のさらなる振興を」などと、まぬけなことをいっている。ちなみに東北経済産業局とは、経済産業省内の一組織である。

 日本の製造業は、精力的に生産の拠点を国外に移している。その流れが加速することはあれ、減速して日本に拠点をもどすことなど、いまさら考えにくい。ましてや、自動車産業は、生産拠点を海外に移している急先鋒ではないか。

 コラムの筆者は、このまま若者が東京に一極集中すれば、「地方は持たないだろう」と予測する。そのとおりである。地方の空洞化は、もはや是正の余地がない「前提」として考えたほうがよかろう。その上で、地方に何ができるのか、が問題なのだ。

 自動車の工場を誘致すれば、若者が地方にとどまる……。経済産業省の幹部が、そんな若者をなめきったことを考えているようでは、地方に未来はない。 

■ 参考サイト
「風土計」2011年2月8日付け (岩手日報)

(谷川 茂)



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