12 日と13日に行なわれたリーグ・アン第23節。首位リールがトゥールーズを2―0でくだし、2位との5ポイント差をキープした。そのほかの上位陣ではレンヌ、マルセイユ、リヨンが勝利をおさめて追撃、パリ・サンジェルマンはランス戦で手痛いスコアレスドローに終わり、2位から4位に転落した。

 いまひとつ安定感を発揮できないライバルを尻目に、リールは着実に勝ち点を積み上げている。これで無敗は13試合連続(9勝4引き分け)となった。開幕当初はスコアレス2試合を含む引き分け3つでスタートしたリールだが、以後すべての試合で少なくとも1ゴールはあげている。

 敗れた相手はリヨンとマルセイユのみ。この2チームとは、2月末から3月頭にかけて2連戦で直接対決を迎える。大物相手にどこまで自分たちの力を発揮できるかがカギとなるが、このあたりはまず今週に控えるヨーロッパリーグ決勝トーナメント1回戦のPSVアイントホーフェン戦(17日、セカンドレグは24日)で占うことができそうだ。

 リールの特色はまずリーグ断トツの得点力(42点)にある。ビッグクラブへの移籍が取り沙汰されるMFエデン・アザールを軸に攻め込み、目下得点王のムサ・ソウ(16ゴール)、ジェルビーニョ(11ゴール)の2枚看板がフィニッシュを決める。

 しかし、中盤の底を締めるリオ・マヴーバ、センターバックのアディル・ラミ、守護神ミカエル・ランドローを中心とする堅い守りがあってこその強さであることも忘れてはならない。

 この試合でリーグ・アン史上19人目となる500試合出場を達成したGKランドローだが、シュートをセーブした場面はゼロ。リールの中盤でのプレスがいかに強力かを物語っている。

 しかし盤石に見えるリールにも弱点がある。リーグでフランス最北端に位置するホームグラウンドには、悪天候ゆえのピッチ・コンディションの悪さがつきまとう。インフラ改善に十分な予算を投じられないという中堅クラブならではの悩みもある。ピッチのせいか、この試合ではディフェンスの要、ラミが捻挫で退場する場面もあった。優勝を争うチームとしては、何とも改善が急がれる課題だ。