性感染症天国としての日本

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 日本は、性感染症天国なのではないか。そう思うときがある。

 飲み屋で会話していると、「俺は、生でしかセックスしないよ」という男性がけっこういる。大学の教え子に話を聞いてみると、男子は「やっぱり生が気持ちいいっす」、女子は「そのときになって、コンドームを着けてとは言いづらい」などと答える。

 アジアやアフリカの貧困地帯では、性感染症がまん延している。そのおもな理由は、そこで暮らす人々に性感染症の知識がないことや、お金がなくて避妊具が買えないこと、売春の環境が劣悪であること、などがあげられよう。

 エイズなどは輸血によって感染するケースも多いが、基本的にはセックスと性感染症との関連をどれだけ理解しているのかが重要であり、その理解が不足しているがゆえに、性感染症がまん延するのだと筆者は考えている。

 2月7日、厚生労働省のエイズ動向委員会は、ショッキングな報告をおこなった。「昨年1年間にエイズウイルス(HIV)感染が新たに判明した人は1503人報告され、うちすでに発症したエイズ患者は453人で過去最多だったとの速報値を発表した」のである。

 上記の数字は、エイズの抗体検査をうけた人がベースになっている。検査をうけてない人のほうが圧倒的に多いことを考えると、潜在的な患者の数はこんなものではないことと思われる。そして、性感染症の患者数は、はかりしれない数になるのではないか。

 日本の学校や家庭で、どれだけ性感染症(STD)についての啓発がおこなわれているのだろうか。教師や親が、「説明するのが恥ずかしいから」教えられないというのは、性生活に関する子どもの将来を暗くする怠慢な態度だと思う。

 性感染症は空気と同じで、目に見えない。だから、ある人と初めてセックスするときには、必ず避妊具を利用する。相手が複数の異性と同時に交際しているような場合は、とくに気をつける(「ピンポン感染」もありえるのだから)。

 子どもがある年齢に達したら、教師や親は、とりあえずそのことだけでも伝えてはどうか。アジア・アフリカ地域のエイズを撲滅しよう、と活動している日本人もいる。それはそれでよいが、まずは「先進国」である自国・日本の、性感染症の実態を見つめてはどうか、とも思う。

■ 参考サイト
新規エイズ患者、過去最多 2010年、検査は減少 (47NEWS)

(谷川 茂)



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