帝国データバンクが実施した賃金動向に関する企業の意識調査によると、2011年度に正社員の賃金改善がある(見込み)と回答した企業が前年度より増加したことが分かった。金融危機後の業績悪化から回復しつつある企業は、人材確保を目的に賃金改善に向かっているもようだ。

 2011年度の企業の賃金動向について聞いたところ、正社員の賃金改善(ベースアップ、賞与・一時金の引き上げ)が「ある(見込み)」と回答した企業は37.5%(前年度比5.7ポイント増)で、2年連続で増加した。一方、「ない(見込み)」と回答した企業は35.8%(同4.7ポイント減)となっている。

 業界別に見ると、農・林・水産(46.3%)、製造(42.5%)、卸売(41.0%)は、賃金改善のある企業が4割を超えた。金融(15.0%)だけが前年度を下回った。

 賃金改善が「ある(見込み)」と回答した企業に理由(複数回答)を聞いたところ、「労働力の定着・確保」(56.2%、前年比3.5ポイント増)と「自社の業績拡大」(50.5%、同9.6ポイント増)が多かった。

 2011年度の労働条件に関する方針決定における最大の焦点を聞いたところ、「賃金および雇用」が33.6%(前年比0.4%増)で最多。「賃金」と回答した企業は24.1%で、前年に比べて12.3ポイントの増加となった。前年度は最も多かった「雇用」は16.0ポイント低下して21.4%となっている。

 金融危機後の雇用維持が最優先とされた時期を脱して、業績が回復してきた企業では、優秀な人材を確保するために競争力のある賃金水準を考慮し始めていることがうかがえる。

 同調査は、1月19日〜31日に、全国2万3356社を対象に実施し、1万1017社から回答を得た。

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