■日本が抱える素材の、質の高さ
アーセナルからフェイエノールトにレンタル移籍した宮市亮が、いきなり先発フル出場を果たした。稲本潤一を皮切りに、森本貴幸、宇佐美貴史など、ユース育ちの高校年代の選手がJリーグで活躍した例はあるが、高卒選手がそのまま海外トップリーグでスタメンデビューを果たしたのは初めてだ。この間まで高校選手権でプレーをしていた選手が、一気にオランダのトップクラブでフル出場を果たすのだから、日本が抱える素材は、この国の指導者や関係者が考える以上にレベルが高いということになる。

さて宮市がオランダのクラブと契約をした時点で最低5000万円近い年俸が約束され、彼が12歳以降に在籍したチームには、1年間につき9万ユーロのトレーニング費用が支払われる。つまり中京大中京高校は27万ユーロ(約3200万円)、小中学時代にプレーをしたFCシルフィールドは36万ユーロ(約4300万円)を受け取る資格を得たわけだ。

■自由な状況を求める選手たち
そしてJクラブは、この現実をしっかりと受け止めるべきだと思う。今、多くのJリーガーは、次々に移籍金なしで海外へ出て行ってしまう。選手たちは、契約が終わる半年前から次の移籍先を探すことが出来る。契約期間中に移籍をすれば、所属元クラブには違約金が入るが、次に契約が切れるタイミングで海外移籍を狙う選手は当然複数年契約には合意しない。

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■著者プロフィール
加部究

1958年生まれ。東京都出身。立教大学を卒業後、スポーツニッポンへ入社。ワールドカップを取材するため会社を3年で退職。以降、1986年メキシコワールドカップから6大会連続で取材を行っている。近著に『ワールドカップ全史』(コスミック出版)がある。


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