インテルに入団した長友佑都が「世界一のサイドバックになりたい」と抱負を語ったが、一時期、間違いなく「世界一のサイドバック」として称えられたロベルト・カルロスが、フランスのレキップ・マガジン誌の取材に応じてサイドバックの歴代ベスト5を選んだ。カギ括弧内は、ロベルト・カルロスが優秀なサイドバックの条件として挙げた、各選手の特徴を表すコメント。

1位:ブランコ(ブラジル)
「強烈なシュート力」
ロベルト・カルロスがもっとも影響を受けたとされる元ブラジル代表の左サイドバック。94年W杯準々決勝オランダ戦で、35メートルのフリーキックを直接ゴールに叩き込んだシーンはあまりにも有名。ブラジル代表では3度のW杯を含む72試合に出場、9ゴールをあげた。

2位:ジャチント・ファッケッティ(イタリア)
「堅い守備力」
60〜70年代のイタリア代表で3度のW杯を戦った左サイドバック。インテル一筋で18年間プレーし、その後は会長も務めた。インテルの背番号3は彼の没後(2006年)すぐに永久欠番となった。堅い守備が最大の長所ではあったが、元FWらしく攻撃参加も果敢に行ない、生涯ゴールは78にのぼる。

3位:パオロ・マルディーニ(イタリア)
「誰よりも練習熱心」
ファッケッティに大きな影響を受けた左サイドバック。イタリア代表では、ファッケッティのもつ主将としての出場記録を破った。ひとつのクラブ(ACミラン)で現役を全うしたのもファッケッティと同じだが、その期間は25シーズンにおよぶ。人一倍練習することと自己犠牲の精神で有名。

4位:ビシェンテ・リザラズ(フランス)
「個性の発揮」
長友やロベルト・カルロスとほぼ同じ体格の左サイドバック。俊敏で果敢な突破力もロベルト・カルロスと共通するが、大きな違いは闘争心をむき出しにするところだ。相手を挑発し、動揺させるのも厭わないながら、守備での冷静さも兼ね備えていた。98年W杯決勝ではロベルト・カルロスとピッチの反対側で競い合ったよきライバルだ。現在はフランスTF1局のメイン解説者。

5位:ロベルト・カルロス(ブラジル)
「謙虚さ」
ロベルト・カルロスが迷った末に5位に入れたのが自分自身。スピードと強烈なシュートが最大の武器だが、その謙虚な人柄もたびたび称賛の的となる。レアル・マドリーでは、つねに若いブラジル人選手たちのよき兄貴分として振る舞った。トルコ(フェネルバフチェ)でもスター選手らしからぬ謙虚さで人々を魅了した。昨年からは祖国ブラジルに戻り、コリンチャンスでプレーしている。