国際モーターサイクリズム連盟(FIM)が統括し、1949年に始まった二輪ロードレースの最高峰カテゴリーであるロードレース世界選手権。ヤマハ発動機は、会社創立の1955年からレース活動に取り組み、1961年のフランスGPに野口種晴選手、伊藤史朗選手が初参戦した。以来、2011年のロードレース世界選手権参戦で50年目を迎えたという。

 これを記念して、2011年シーズン、MotoGPに参戦するヤマハファクトリーチームは、参戦マシンYZR-M1やチームのユニフォーム、ピット、トラックなどに50周年記念ロゴを使用。またGP参戦50周年の一環として、2月1日よりスペシャルサイトを公開している。

 同サイトの主なコンテンツは、歴史資料や貴重な写真の数々も交えながら、レース参戦の歴史を年度、ライダー、マシン毎に紹介するデータアーカイブ。また2011年のシーズンを通して、ヤマハレース史に欠かせない人物からのメッセージやインタビュー、さらにコラムや映像などを定期的に更新していくという。

 また、スペシャルサイトの開設に加え、過去のレースシーンが蘇るような様々なイベントも予定。その1つが、ツインリンクもてぎで開催されるMotoGP世界選手権シリーズ第3戦日本グランプリにおいて行われるメモリアルラン。ヤマハ初の500cc ファクトリーマシンである1974年のYZR-500やケニー・ロバーツが駆り優勝を果たした1978年のYZR-500など、伝説のマシンがサーキットで息を吹き返すという。

 ヨーロッパでも同様のイベントをアッセンで開催されるオランダGPで行う予定。このオランダGPで、ヤマハ所属のエースライダーであるロレンソとスピースの両選手は、GP参戦50周年記念のカラーリングを施したYZR-M1でスターティンググリッドに登場する予定だ。

 ヤマハ発動機の代表取締役社長である柳弘之氏は「50年の間には栄光もあれば失意のどん底を味わう時もありましたが、参戦を開始してから常にチャレンジスピリットで技術の研鑽に励み、世界中の皆様と感動を分かち合ってまいりました。おかげさまで昨年も世界最高峰のモトGPクラスで3冠を獲得し、3年連続して頂点を極める事ができました。これは、関係各位のご支援はもちろんのこと、参戦当初からのチャレンジスピリットが今も息づいている証だと確信しています。」と語る。

 また、ヤマハモーターレーシング(YMR)社長である北川成人氏も「世界経済の劇的な変化や厳しい経営環境下にあっても、一貫してWGPと言う舞台で世界中の人々に数々の感動のシーンを提供し、レースで培った優れた技術を魅力的な商品の開発に還元するという大きな役割も果たして来ました。50周年という節目の年を迎え、私達はこれまで活動を続け、レースを通じて新たな感動を創造する事、豊かな未来に貢献する技術を開発する事、次代を担う有為な人材を育成すると事、という基本的な命題を再確認し、次の50年に向けて力強いスタートを切りたいと思います」と意気込みを語った。

 ヤマハ発動機は2011年をメモリアルイヤーと位置づけ、様々なイベントを展開。MotoGPに参戦するヤマハファクトリーチームを盛り上げるとともに、今後もレースにより培った自動2輪マシンの技術力を商品に反映し、ユーザーにより良いマシンを提供していく構えだ。(編集担当:宮園奈美)



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