昨年発覚した大相撲の野球賭博事件に絡み、警視庁が家宅捜索で押収した現役十両力士数人の携帯電話に、数十万円で勝ち星の売買が日常的に行われていたことをうかがわせるメールの記録が残っていたことが毎日新聞のスクープで発覚。これまで週刊誌などで報じられる度に日本相撲協会が頑として認めなかった八百長問題の"証拠"がついに見つかった。

「かつては『週刊ポスト』(小学館)が大々的なキャンペーンを展開し、元小結の板井圭介氏が自ら八百長の仲介役をしていたと名乗りでて暴露本を出版した。その後、『週刊現代』(講談社)が07年1月からノンフィクションライターの武田頼政氏の綿密な取材にもとづき大々的なキャンペーンを展開したが、決定的な証拠がなく、記事について力士や協会から次々と提訴されことごとく敗訴。巨額の賠償金の支払いを命じられた。しかし、八百長があったのは"公然の秘密"で相撲協会や力士は自分たちのクビを締めただけ」(スポーツ紙の相撲担当記者)

 かつて板井氏は「8割の力士は八百長に手を染めている」と断言し、今回もすでに八百長への関与が疑われている13人のうち十両・千代白鵬と三段目・恵那司、初場所限りで引退した元幕内・春日錦の竹縄親方の3人が、同協会の事情聴取に対して、関与を認め、新たに1人の名前が挙がっているというだけに、今後、横綱・白鵬以下幕内力士にも徹底的な調査が行われそうだ。

 ここで気になるのが、八百長に手を染めていない"ガチンコ力士"の存在だが、すでに武田氏が「週刊現代」の記事の中でその名前を挙げていたのだ。

「記事によると、07年初場所の幕内力士で"ガチンコ力士"はわずか12人。名前を並べると、普天王、岩木山、安美錦、稀勢の里、出島、豊真将、高見盛、栃乃洋、豪風、垣添、玉春日、玉乃島。よくみるといずれも日本人力士ばかりで、日本人力士が苦戦続きなのもなんとなく納得できた」(同)

 このうち、今年の初場所で幕内だったのは安美錦、稀勢の里、豊真将、高見盛、栃乃洋、豪風のわずか6人。普天王は幕下に陥落しながらも現役を続け、垣添と玉乃島は十両、岩木山と出島と玉春日はいずれも引退してしまった。

「稀勢の里は昨年11月の九州場所で白鵬の連勝記録を63でストップさせ、今年の初場所でも白鵬を破ったが、ガチンコでやっていると10番勝つのがなかなか難しく、ケガも多くなりなかなか大関に上がれない。豊真将も将来を期待されているが、勝ち越しと負け越しを繰り返しなかなか番付が上がらない。高見盛の場合、『あいつは抜けてるから話が通じない』と誰も八百長を持ちかけなかっただけのようだが」(週刊誌記者)

 真っ向勝負で相撲を取り続ける稀勢の里や豊真将が番付の上位に行かない限り、角界に"明るい未来"はなさそうだ。



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