大相撲の八百長疑惑問題 外部による調査委員会設立も全容解明は困難?

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 昨年5月に明るみに出た相撲界の野球賭博問題の捜査で、十両・千代白鵬(九重)、初場所で引退した元幕内・春日錦の竹縄親方(春日野)の携帯電話が押収され、携帯電話会社の協力により、削除されたメールが復元。その結果、八百長をうかがわせるメールが発覚した。

 この疑惑のメールは千代白鵬と三段目・恵那司(入間川)、竹縄親方と十両・清瀬海(北の湖)との間でやり取りされたもので、そのメールのなかで、この4人を含む13人が、昨年3月場所、5月場所で八百長にかかわった可能性があるとされた。この内、遠方にいる1人を除く12人が、2月2日午後に緊急招請された理事会に呼び出され事情聴取を受けたが、事実確認は取れなかった。

 かかわったとされる残りの9人は、幕内の豊桜(陸奥)、翔天狼(藤島)、光龍(花籠)、霜鳳(時津風)、十両の旭南海(大島)、若天狼(間垣)、幕下の山本山(尾上)、白乃波(尾上)と、昨年7月場所で引退した元小結・海鵬の谷川親方(八角)。
 降ってわいた八百長騒動に、日本相撲協会・放駒理事長(元大関・魁傑)は外部による調査委員会を設置することを表明。早々に同日夜、第1回の外部委員会の会合がもたれた。そのなかで決まったのは、疑惑力士13人への密な事情聴取、十両以上の力士への確認、全力士へのアンケート調査の実施。

 過去、何度も起きた大相撲の八百長疑惑に関しては、協会が逃げ切った形。「週刊現代」(講談社)で告発された問題では、協会が提訴。「証拠がない」として、この裁判は昨年10月に協会が勝訴した。放駒理事長は八百長は過去にはなく、今回初めて起こった事象と発言したが、さすがに今回はこれまでの疑惑とは状況が違う。警察が証拠を握っているからだ。この13人のなかには、単に仲介役を務めただけで、八百長には直接関与していない力士もいるかもしれない。だが、証拠を握られている以上、もはや逃げ切れないのではないだろうか。放駒理事長は八百長に関与した力士には、野球賭博事件以上の厳罰に処すとも語った。この13人はもはや首を洗って待つしかない。

 一方、調査を受ける他の力士については、仮にやっていたとしても物証がないため、逃げ切りになるのではないか。八百長は刑事事件ではないため、警察はこの件に関する捜査はしないことを明言している。証拠がない以上、「やってない」と言われれば、それで終わり。調査委員会も調べようがない。警察の協力要請がないかぎり、携帯電話会社が調査に協力する可能性は低いだろう。それこそ、プライバシーの侵害になりかねない。ちゃんと調査しようと思ったら、それこそ近年引退した力士も含めた全力士の携帯データを調べるくらいのことをしなければならない。しかし、現実的にそれは不可能でしょう。

 結局、この問題は全容の解明は極めて困難。当事者が口を割らないかぎり、立証できない。野球賭博事件と同様、一部の人間のトカゲのしっぽ切りで終わってしまう懸念もある。
(※注※本文中の番付は初場所現在のものです)
(ジャーナリスト/落合一郎)

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