イスラミックコネクション【テレンス・リーのニュースを斬る!】

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北アフリカのチュニジアで23年に及んだ独裁政権が崩壊した。このチュニジア政変を機にアラブ諸国で反政府デモが拡大している。物価の高騰や高い失業率が一向に改善されないまま、長期政権が続いていることへの不満が民衆の動機である。

 たしかにエジプトのホスニ・ムバラクなどは、アンワル・サダトが暗殺された直後から約30年も大統領の座に留まっている。イエメン、アルジェリアも同様に腐敗した長期政権が問題視されている。

 こうした民衆の怒りは王政のヨルダンでも爆発した。実は、このヨルダンでのデモが同地域の近未来を占う重要な鍵なのだ。

 1979年2月、イランでイスラム革命が起こった。それ以前のイランはモハンマド・レザー・シャー・パーレビ皇帝が支配する王政だったが、長らく弾圧に苦しめられていた反政府勢力によって国外追放させられ、パリに亡命していたイスラム教の指導者アヤトラ・ホメイニ師が帰国すると、イスラム教義を基幹とした新体制に生まれ変わった。

 すなわち、王政のヨルダンでイスラム革命が起こる可能性は否定できない。当然、エジプト、イエメン、アルジェリアは言うまでもなく、場合によってはムアンマル・カダフィが強権支配するリビアですら例外ではなくなるかもしれない。

 私は民衆革命の連鎖を警告しているのではない。イスラム教ネットワークの凄まじさを示唆している。

 そもそもイスラム教は商工業者の往来により布教された社会哲学である。中世、商工業者の移動範囲は、すでに北アフリカ、東ヨーロッパから東アジアに至っていた。イスラム教の拡大は情報伝達の拡大も意味しているのだ。これだけインターネットが発達した現代でも、彼らの情報伝達能力は突出している。つまり、テレビはおろかラジオのない僻地にもイスラム革命の理念は届けられるのだ。

 今後、こうしたイスラム革命の種は北アフリカ、中近東を起点に世界中のイスラム教国に波及するかもしれない。日本から遠く離れたチュニジアの政変は、ひょっとしたら国際政治における巨大な嵐の前触れかもしれないのだ。

(テレンス・リー)

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