全国の紀伊國屋書店員が選んだ「2010年最もおもしろかった本」とは
 2011年になって早一カ月、昨年の出版業界といえば、村上春樹『1Q84』(新潮社/刊)のBook3発売、また『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』(岩崎夏海/著、ダイヤモンド社/刊)の大ヒットなどが印象に残っている方も多いと思いますが、書店の現場で、本と本が好きなお客さんに触れ続けている書店員の方々は昨年どんな本が印象に残ったのでしょうか。
 紀伊國屋全店の書店員たちの投票により、昨年最もおもしろかった本ベスト30をランキング形式にした「キノべス2010」が発表され、1月20日より紀伊國屋書店新宿本店2Fにて展開されているという情報を聞いたので早速行ってきました。(写真【全5枚】入りの記事はコチラ!)


 写真左の黄色い表紙の本は、第1位に輝いた『いちばんここに似合う人』(ミランダ・ジュライ/著、新潮社/刊)。その隣の赤い表紙の本は『切りとれ、あの祈る手を』(佐々木中/著、河出書房新社/刊)。ちなみに先日、『きことわ』(新潮社/刊)で第144回芥川賞を受賞した朝吹真理子さんのデビュー作『流跡』(新潮社/刊)も第4位にランクインしています。紀伊國屋書店といえば、筆者が知る限り特に熱心な本好きが多い書店なのですが、ランクインした本それぞれにつけられた手書きのポップからも、大好きな作家・作品への愛着が伝わってきます。
 また、無料配布している冊子には、前述の『いちばんここに似合う人』の訳者である岸本佐知子さんがコメントを寄稿しているという豪華な内容。

 通路に面した位置に展開されていることもあり、立ち止まって見入るお客さんもたくさんいました。

 さて、取材はこれくらいにして帰ろうかな、と思ったその時、

 あれ?「キノべス」の展示場の奥になにやら別の展示物があります。
 よく見ると…

 看板には「ピクベス」とあります。そう、これは紀伊國屋書店新宿本店の文学大好きグループ「ピクウィック・クラブ」の展示コーナーです。隣の「キノべス」に対抗するように(?)「ピクベス」も、メンバーが「2010年おもしろかった本ベスト30」をセレクトしています。
 そして「ピクベス」もまたパンフレットを無料配布、こちらも1位に輝いた『夢の遠近法 山尾悠子初期作品選』の著者・山尾悠子さんがコメントを寄稿しているという、あくまで「キノべス」と張り合うかのような挑戦的態度。

 
 ピクウィック・クラブのメンバーである梅さんも「他の書店にはありえないようなランキングになっているので是非見ていただきたいです。『キノべス』よりも『ピクベス』の方がおもしろいと思います」と強気のコメント。

 「キノべス」「ピクベス」は2月20日(日)まで展開中。
 前者は全国の紀伊國屋書店員さんによるランキング、後者は新宿本店の文学のエキスパート集団によるランキング、とそれぞれに強烈な個性を放つラインナップとなっているので、刺激ある読書を求めている方はぜひ足を運んでみて下さい。
(新刊JP編集部/山田洋介)


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