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温泉旅館に行く。それは私たちにとって極めて特別なことだ。単に湯に浸かることだけを目的とするのではなく、多くの場合、そこで日本が誇るべき文化を愛でることをも意味するからだ。泉質の良い湯はもちろんのこと、温かい歓迎、心地よくしつらえられた客室、そして地の食材を用いた心づくしの料理。それらが一体となった温泉旅館は、他国でも類を見ないハイスタンダードなもてなし文化を持つ日本ならではのもの。そんな温泉旅館文化を、現代的な感覚を取り入れながら大切に守っている宿がある。

その宿が佇むのは、日本書紀にも登場し、開湯から1300年間も沸き続けている浅間温泉郷。歴史と文化が薫る街、松本の奥座敷として知られる場所だ。伝統ある温泉街で、ひときわ目を引くモダンな円形の外観を持つのが「貴祥庵(きしょうあん)」。和のテイストを感じさせながらも、旅館と呼ぶにはやや現代的なその風貌は、現代建築家 羽深隆雄氏が鋭い感性で創り上げたもの。訪れる者が、“斬新ながらどこか懐かしい”という貴祥庵のコンセプトと初めて出会うのがこの外観を通してなのだ。

宿のコンセプトを体現しているのは、もちろん外観だけではない。親密さを感じさせるアプローチを通り抜けると、吹き抜けのエントランスホールが広がっている。その天井に施されているのは和紙や貝殻をすりつぶした顔料を塗った煌びやかな雲母刷り。廊下には土壁や江戸時代の襖紙制作の伝統手法を取り入れた江戸墨流しを使い、食事処の入り口には木製建具の最高峰である繊細な組子障子が用いられ、客室まわりには昆虫をモチーフにした金箔貼や細工などが施され、目を楽しませてくれる。これらの伝統技法は現代的な素材と組み合わせるなどされていて、随所にモダンな感覚と和の匠が融合した空間演出が実現。さながらアートに囲まれているかのような豊かさを感じさせてくれるのだ。



こういった趣から、デザイナーズ旅館とも呼ばれるが、旅人たちを魅了し、多くのリピーターを生んでいる秘密は、斬新さだけではない。宿の誕生は11年前だが、旅人の心を解きほぐすスタッフの笑顔、控えめながらも確かな気配りを感じるもてなしの心、より快適な滞在をと工夫された様々な仕掛け、そして疲れた体を優しく包む温泉、土地のパワーが宿る美食の数々と、すべてが高水準で整う貴祥庵には、確かに旅人たちを魅了する日本伝統の旅館文化が息づいているのだ。


さらにこの宿には、女性が喜ぶポイントも多い。かつては体の不調を整える湯治場としての役割も多かった温泉だが、現在は美を磨く場として女性たちに親しまれている。そんなことから、信州が誇る温泉とワインでアンチエイジングを目指す体内浄化プログラム(36,000円〜)が用意されているのだ。

>後編ではいよいよ体内浄化プログラム「温泉とワインでアンチエイジング」を体験!

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