【テレビ】マツコが消費されてしまう?もったいない!

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 ちょっと前まで、テレビでは「5時に夢中!」(東京MXテレビ)と「マツコの部屋」(フジテレビ)でしか見られなかったマツコ・デラックス。本業はコラムニストですが、最近はテレビで見る機会がすっかり増えました。

 自分の容姿から発言まで、すべてをネタだと位置づけた上で繰り出されるコメントは、そこらの評論家や芸人にはとてもかないません。頭の回転が速く、どんな話題に対しても自分の意見をしっかりというマツコの姿勢に、私はずっと好感を持っていました。

 例えば、2008年8月6日の「5時に夢中!」では、マツコが番組の冒頭から「変なことをいうとBPOに訴えられちゃうから」と連呼している ので、おかしいなと思いました。共演者の中村うさぎも、一緒になってBPOをおちょくります。

 ふたを開けてみると、前回放送分のラブホテルを取りあげる特集に対してBPO(放送倫理・番組向上機構)がクレームをあげたため、急遽、特集の 内容が別のものに差し替えられたのでした。ラブホテルの特集ごときでBPOにちくりを入れる視聴者の「倫理」が疑われますね。

 同番組でのマツコのコメントは、放送できるギリギリの線のものが多く、ときにはを超えてしまうこともあります。しかし、バランスばかりを気にして、キョロキョロまわりを見ながらコメントしているキー局番組のコメンテーターよりも、まともなことをいっているのです。多少の毒はありますが (笑)

 自虐ネタあり。下ネタあり。そして、社会から政治まで、自分の思いを飾らずに毒のあるコメントを発するマツコには、勝手ながらテレビのメインストリームからはすこしはずれたところで活躍していてほしかった。ところが…。

 2009年からテレビ出演が増えはじめ、昨年の後半からは、テレビで見ない日はないほどの売れっ子になってしまいました。CMでは、フジテレビのキャンペーンやJRAに起用され、年末年始のバラエティー番組にも軒並み出演。

 お笑いやバラエティの番組が、真夜中に放送していたときにはおもしろかったのに、ゴールデンタイムに進出したとたん、毒がなくなってつまらなくなるというのは、いまや一般の視聴者であっても知っていること。

 その理由は単純で、下ネタや暴力表現に対して視聴者が異常に敏感なことから、クレームを回避するために、テレビ局と出演者が自主規制をしているからなんですね。青春ドラマではあるまいし、毒のないお笑いなど、おもしろくもなんともありません。

 売れっ子になったマツコは、CMや年末年始特番だけでなく、ゴールデンタイムの番組にも出演するようになりました。おそらく、みずからを電波芸者だと割り切っている彼女ですから、それなりの時間にはそれなりの態度でのぞむのでしょう。

 しかし、そうやってテレビ局に消費され、あのセンスのある毒舌コメントが聞けなくなってしまうのは、あまりにももったいない。稼ぐだけ稼いだ ら、テレビ界のはずれにもどってきてください。そして、言いたい放題で毒のあるコメントが聞けることを、期待しています。マツコさん、よろしく!

(谷川 茂)

●この記事のイラストはガジェット通信一芸記者の原後彦さんが担当しました
原後彦プロフィール:歌モノのCMを得意とする徳島在住のクリエイター。LOVE LOCAL地元CMコンテスト2010 グランプリなどCMコンテストでの受賞作品多数あり。

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