綱紀粛正を唱える相撲界に、またトラブルが発生した。

 ともにグルジア出身の幕内力士、前頭15枚目の黒海(29=追手風)と前頭6枚目の臥牙丸(ががまる=23=北の湖)が、初場所6日目の当日となる1月14日午前7時半頃、東京都墨田区江東橋のインド料理店でケンカとなり、店のガラスを割ったとして、同店から110番通報されていたことが24日に明らかになった。

 警視庁本所署は器物破損の疑いがあると見て、2人を事情聴取したが、すでに2人と同店の間では示談が成立しており、被害届も取り下げられる見込みだという。

 16日に追手風親方(元前頭・大翔山)から報告を受けたという、日本相撲協会の聞き取りによると、「親しい知人を亡くした臥牙丸を、母国の先輩である黒海が励ますため、13日夜から酒を飲んだ。立とうとした拍子にガラスが割れた。口論、ケンカではない」というもの。2人と親方は、協会から厳重注意を受けた。

 当初報道された内容と、協会側の発表には食い違いがあるが、すでに示談が成立し、ガラスが割れた程度の事件であるため、どちらが真実かは明らかにはならないだろう。このまま、うやむやで終結することが予想される。

 ガラスを割ったのがケンカの末であれば、かなり問題であるが、協会を怒らせた理由は他にある。放駒理事長(元大関・魁傑)が語った「顔が合う(対戦する)かもしれない力士同士が、そんな遅い時間(朝)まで酒を飲んでいたことが問題だ」という点。

 場所で当たるかもしれない他の部屋の力士と、本場所中に朝まで飲酒していたことが問題視されているのだ。本来なら、取組に備えて朝稽古に励んでいなければいけない時間。その時間に酒を飲んでいたのだから、力士としての自覚が問われる。

 くしくも、昨年末の力士会では酒の席での注意に関する講習が開かれたばかり。その講習も、この2人には何の役にも立っていなかったのだろう。

 初場所、2人はともに大きく負け越し。黒海は3勝12敗で、04年1月場所に新入幕を果たして以来、43場所守った幕内の座から十両に陥落することが決定的。このトラブルがモチベーションの低下につながったどうかは定かではないが、猛省しての出直しを図ってほしいものだ。
(ジャーナリスト/落合一郎)

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