帝国データバンクが1月24日に発表した「2010年 出版・印刷業者倒産動向調査」によると、2010年の出版業者の倒産件数は44件となり、前年の57件から22.8%減と、2006年以来4年ぶりに50件を下回った。しかし、2000年代前半と比較すると2000年代後半の倒産件数は高水準で推移しており、長引く出版不況から抜け出すことのできない出版業界の実情が明らかになっている。
 一方、書店経営業者の2010年の倒産件数は31件と、4年連続30件越えをしたが、2008年の48件、2009年の37件と2年連続で前年を下回っている。

 倒産件数だけを見れば、1つのピークであった2000年後半からやや改善の兆しが見えた2010年。
 しかし、出版科学研究所の調査によれば、2010年の書籍・雑誌の推定販売額が1兆8748億円となり、6年連続の減少、2年連続で2兆円を下回る結果であったという。

 昨年末には俳優・水嶋ヒロさんが本名の「齋藤智裕」名義で出版した『KAGEROU』(ポプラ社/刊)などが話題になったが、トーハンや日販などの各取次会社が発表する2010年度の年間ベストセラートップ10を見てみると、『巻くだけダイエット』(山本千尋/著、幻冬舎/刊)や『伝える力 「話す」「書く」「聞く」能力が仕事を変える!』(池上彰/著、PHP研究所/刊)など、2010年よりも前に出版された本がランクインしており、売れる本とそうでない本が二極化している状況がうかがえる。

 『生き残るメディア 死ぬメディア』(まつもとあつし/著、アスキー・メディアワークス/刊)において出版業界紙「文化通信」の編集長である星野渉氏は、取次の配本規制を根拠の1つとした上で、「本当の意味での出版不況は“これから”やってくる、というのが正しい認識」と指摘している。
 メディアから注目を集める電子書籍は出版業界の起爆剤となるのか。2011年は出版業界にとって勝負の年となりそうだ。
(新刊JP編集部/金井元貴)

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