「キケン」という好奇心をそそるタイトルですが、実は機械制御研究部の略称「機研」のこと。しかし、「機研」=「危険」の公式が成立してしまうほど、「キケン」な理系男子が次々と登場します。

 舞台は成南電気工科大学の機械制御研究部。部長の上野の突拍子もない言動や行動から「キケン」に所属する理系男子学生が全力で無謀なことに突っ走ります。爆破、学祭、恋愛、ロボコン......どんなことにも、お遊びじゃなく本気です。

 男子学生特有の無茶苦茶っぷりは、なぜだかとっても気持ちが良いし、どこかうらやましくもあります。本気で遊び、楽しむ姿は「全力少年」という言葉がピッタリです。全6話のストーリーで構成され、装丁、挿絵、活字などを組み合わせた試みは遊び心が満載で、小説が苦手な人もマンガのようにすらすらと読めるはず。

 物語の中で展開される痛快な言動に加え、随所に散りばめられた上野のボケと部員の元山のツッコミがテンポ良く、思わず含み笑いをしながら一気に読めてしまいます。ライトノベル出身の有川浩ならではの甘酸っぱい恋愛、失恋を描写した場面も勿論しっかり入っています。

 女同士にはない男同士の独特の世界。理系でなくても、大学に行ったことはなくても、男でなくても、どこか共感できる部分が必ずあります。そして読み終えた後は、ただただ爽快感しか残りません。きっとあなたの中の「キケン」がくすぐられることでしょう。



『キケン』
 著者:有川浩
 出版社:新潮社
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