なんでもアリの新内閣は「新しい選挙」待望内閣だ! おおいに期待しよう

写真拡大

 1月14日、菅直人再改造内閣が発足した。批判はほうぼうから提出されている。
 もっとも大きなものはなんといっても与謝野馨氏の「経済財政・社会保障と税改革」担当大臣への就任だろう。なにしろこの人、昨年『民主党が日本経済を破壊する』という本を出したばっかだし、選挙のときは同じ内閣の経産相、海江田万里と戦って敗れているのだ。もう「なんでもアリ」の布陣なのである。

 もっとも、こうした批判は予測した上での与謝野の起用だろう。菅首相はついこないだ「これまでは仮免だった、これからが本番だ」と発言して物議をかもしたばかりだけれど、彼なりの「本気」が表現されてこうなった、とプラスに解釈してあげよう。社会保障と税改革に関して「本格的に議論を進めたい」という考えは、たしかに表現されているわけだし。批判するのは後からでいい。

 でも、そう考えてくれるやさしい人ばっかじゃない。批判は当然、新内閣を襲うだろう。その急先鋒は、いうまでもなく自民党である。
 これから審議される予算案にたいして、自民党は必ず反対する。「衆参ねじれ」があるから、予算はそれだけで可決できなくなっちゃうのだ。ただ、反対ばっかりしていたらポイントを下げるばかりだから、彼らだって落としどころは考えている。
「予算可決には協力しよう。そのかわり内閣総辞職、もしくは解散総選挙だ」。

 そうなったとき、菅首相なら解散をえらぶだろう……というのが大勢の見解だ。たぶん、ご本人もそう思ってるはずで、それゆえの「社会保障と税改革への取り組みアピール」なのである。新内閣で支持率回復、その上で解散総選挙。彼の心づもりとしては、そんな感じだろう。
 もっとも、目下のところ支持率は大して上がってない。「小沢色」をなくせば上がる、と踏んでたのかもしれないが、前と同じことやって支持が増えるほどポピュリズムはカンタンじゃないのだ。見通しが甘いね。
「3月解散」にはならないかもしれない。でも、そろそろ選挙をしたっていいだろう。いや、すべきなんだ!

 民主党政権にはご退陣願って、自民党にお願いしたい……からではない。悪いけど、以前の自民党に相当嘆息させられたことを、まだ覚えている。めんどくさくなるとすぐに「やめます」という首相、黒いウワサと一緒に自殺する閣僚、酔っぱらってG7に出席する財務大臣……さすがにウンザリした。
 民主党が政権をとれたのは、民主党が素晴らしかったからじゃない。自民党がダメだったからだ。いわば、消去法による政権選択だったのである。

 このままいけば、まちがいなく再び消去法の選挙が繰り返されることになるだろう。
 欧米では国民の支持政党が明確なのがふつうだから、こういう国はたぶん、すくないはずだ。でも、仕方がないのだと思う。民主党と自民党、両者のちがいを明確に指摘できる人は、たぶん国会にもいない。与謝野馨という、自民党比例区から当選した議員が民主党内閣にいるってのも、両者にちがいがほとんどないことの表れだ。
 そんな選挙いくらやってもラチがあかないから、政界再編を望む声は高い。大いに同意したいけれど、そろそろ選挙を、と言いたいのは、「政界ガラガラポン」(おお、懐かしい表現!)を望むためではない。

 民主党が政権をとることによって、ほとんどの国会議員が「政権与党」を経験した。
 政権獲得前の民主党は、野党しか知らなかった。政府にはムダがいっぱいあって、お金がたくさん眠っていると思っていた。高速道路無料化だの、子ども手当だの、おいしそうな提案をたくさんできたのはそのためだ。でも、政府に入ってみたら、案外お金はない。鼻息荒く「政治主導」と意気込んでみたものの、官僚を使うのはやっぱり難しい。
 こんどの選挙では、与党・野党ともに、夢みたいなマニフェストは出せないだろう。誰もが「リアル」を考え、実現可能な政策を主張して争う選挙になる。そうでなければ勝てないし、かりに大言壮語で勝ったとしても、後が厳しくなるだけなのだ。
 日本国民がこうした「リアルな」選挙に参加するのは、ほとんど初めてのことなのだ。政権与党と万年野党……いわゆる「55年体制」からの脱却が、次の選挙でようやくはじまるのである。

(草野真一)

●イラスト:原後彦
歌モノのCMを得意とする徳島在住のクリエイター。LOVE LOCAL地元CMコンテスト2010 グランプリなどCMコンテストでの受賞作品多数あり。
http://haratteru.web.fc2.com/

■関連記事
ちょっぴりオトナなガジェット通信! 『夕刊ガジェット通信』がオープン
【テレビ】NHKでオンナゴコロを理解する?『祝女』
月9ドラマに毎回違うストーリーで毎回違う商品PRするCMが登場
Gmailが初めての人に教えてあげたいちょっとしたこと
コウモリ的政治家とダム