市長選を前に河村たかしが胸中とビジョンを語る

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 議会と対立し、解散を求めるリコール署名集めに発展、選挙管理委員会との署名の有効性を巡るその後の攻防、そして辞職届を提出しての出直し市長選など、河村たかし名古屋市長についての報道が過熱している。

 名古屋市民からは未だに高い支持を得ている一方で、名古屋市議会をはじめ各所からの批判も絶えない河村氏だが、同氏はこれらの批判に対して自身の著書『名古屋発 どえりゃあ革命!』(KKベストセラーズ/刊)の中でこれらの批判に対して答えている。
 今回はその中からいくつかを紹介したい。

◇ ◇ ◇

■10%減税は金持ち優遇?
 河村氏がかねてから公約に掲げて、1年限りではあるが実現した「個人市民税、法人市民税ともに1割減額」には、高所得者層ほど減税額が大きい(夫婦と子ども2人で年収300万円の家庭だと、減税額は年間1400円にしかならない)という声がある。
 これに対し、河村氏は本書の中で「減税というのは福祉政策ではない」とし、低所得者層には減税とは別に福祉や雇用対策の分野できっちりとカバーすると述べている。
 あくまでも減税の目的は企業や人を呼び込むことと、無駄な公共事業や税金でメシを食っている「職業議員」をあぶりだし、議会や役所の膿みを出しきることが減税の目的ということだ。

■リコールが成立したのに自分も辞職…の理由
 名古屋市議会との対立が決定的となった河村氏は、支持者と共に市議会リコールのための署名運動を開始。リコール成立条件の36万5795人をはるかに超える46万以上の署名を集めた河村氏だが、署名簿の記載不備などの理由で約11万票が無効とみなされ、一転リコールは不成立とされたが、河村氏側の「縦覧(署名簿を一般公開すること)」や「異議申し立て」によって逆転有効となる票が続出、結果的にリコールは成立した。
 河村氏は、リコールが成立した場合には自身も辞任し、市長選を行うと明言しており、実際にリコールが成立となったタイミングで辞表を出してしまったが、予算編成期だったこともあり批判が相次いだ。
 それを受けて、河村氏は「正直(辞任を撤回しようかどうか)悩んだ」としながらも、自らが長年心血を注いできた「減税」が議会の条例否決によって1年で打ち切られることになってしまったため、「これについてはもう一度民意を問うべきだ」ということで辞任した、と語っている。

■議員報酬引き下げに対する反発
 河村氏が掲げた政策の目玉として、「従来の約1600万円から800万円という議員報酬の引き下げ」がある。その理由として同氏は「税金を払っとる庶民はめちゃくちゃ苦しいけど、税金で食っとる方は極楽で左うちわ」「日本の議員は“貴族”になってしまっとる」として、議員達が一般社会では通用しないようなパートタイムジョブで大企業の役員並みの報酬を税金から受け取り、大きな権力を握っていることを挙げているが、報酬800万円では議員の生活が立ち行かないという声もあがっている。
 これに対しては、800万円でも自宅を事務所にしたり、工夫をしながら市議をやっている人はいくらでもいるとして、「ええ政治をやって有権者から寄付を集めるのが筋」と反論。
 実際、河村氏は自身の報酬も800万円に引き下げ、退職金も辞退した。

 名古屋市で本当にやりたいこととして、河村氏は「本物の民主主義を芽生えさせる」ことを挙げている。
 日本中の注目を集めているといっても過言ではない2月6日のトリプル投票(名古屋市長選、愛知県知事選、住民投票)を前に、河村氏の政治ポリシーや名古屋、愛知、日本の将来のビジョンを知るには、本作は最適だと言える。
(新刊JP編集部/山田洋介)


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