1月17日(月曜日)夜、第144回(平成22年/2010年下半期)芥川龍之介賞・直木三十五賞の受賞作が決定する。すでに発表されている候補作は以下のとおり。

【芥川賞】
◎朝吹真理子「きことわ」新潮2010年9月号
 小谷野敦「母子寮前」文學界2010年9月号(文藝春秋より単行本発売中)
 穂田川洋山「あぶらびれ」文學界2010年11月号
 西村賢太「苦役列車」新潮2010年12月号
 田中慎弥「第三紀層の魚」すばる2010年12月号

【直木賞】
 犬飼六岐『蛻』講談社
 荻原浩『砂の王国』(上下)講談社
◎木内昇『漂砂のうたう』集英社
 貴志祐介『悪の教典』(上下)文藝春秋
◎道尾秀介『月と蟹』文藝春秋

 候補作全作を読み終えたので、勝手に受賞作を予想してみた(◎が本命予想作品)。

 今回の芥川賞は「きことわ」の鉄板レース。25年ぶりに再会したふたりの女性、貴子(きこ)と永遠子(とわこ)の交流を、自由自在に時間をコントロールしながら(時の流れそのものをテーマに)鮮やかに描く。作品の出来はダントツで、対抗馬は見当たらない。
 著者の朝吹真理子は、1984年東京都生まれの26歳(慶應義塾大学前期博士課程在籍。近世歌舞伎専攻)。はじめて発表した小説「流跡」で、第20回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞。父は詩人の朝吹亮二、祖父は仏文学者の朝吹三吉、曾祖父は実業家の朝吹常吉、曾々祖父は"三井の四天王"と言われた朝吹英二(フランソワーズ・サガンの翻訳で知られる朝吹登水子は大叔母にあたる)。あらゆる面でスター性抜群の逸材だから、受賞の暁にはあらゆるメディアを席巻するはず。綿矢りさ・金原ひとみブーム、川上未映子ブームに続く大騒動が起きるのはまちがいない。

 直木賞は、戦後初の5回連続候補を達成した道尾秀介『月と蟹』と、新顔の木内昇の時代小説『漂砂のうたう』の2作受賞を予想。もっとも、今回の注目は芥川賞に集中しそうなので、直木賞は7期ぶりに「受賞作なし」のどんでん返しもあるかも。
 というわけで、本命は『月と蟹』+『漂砂のうたう』。対抗は「受賞作なし」。

 予想の根拠および各候補作の詳細は、2011年1月15日(土)深夜24時からラジオ日本でオンエアされる「ラジカントロプス2.0 文学賞メッタ斬り!SP」(http://www.jorf.co.jp/PROGRAM/radio.php)でどうぞ。ポッドキャスト配信もあります。

 結果は、両賞ともに、1月17日の午後7時〜9時ごろ判明します。

(大森望)







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