男性が料理を作れるようになっておくべき理由

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 ここ数年、“料理のできる男”がモテるというニュースが話題になっている。
 料理のできる男性についてどう思うか女性編集部員に聞いたところ、家庭的であったり、手先が器用で細やかな気遣いができるイメージを持つらしい。

 とはいえ、「モテる/モテない」に限らず男性は料理ができた方がいい。

 そんなことを思い知らされるのが『男おひとりさま術』(法研/刊)だ。本書はノンフィクションライターの中澤まゆみさんが、定年後の「おひとりさま」男性の実態を、アンケートや取材を通して描いた一冊である。

 本書において中澤さんは50歳以上の男性にアンケートを実施する。その中で、「おひとりさまになったら(なったとき)、なにがいちばん困る(困った)と思いますか?」という質問に対し、妻と死別・離別した男性の3割が「食事」に困ったと返答したという。6割は「孤独感」というから、「孤独感」と「食事」で回答のほとんどの占めていることになる。中澤さんは「最大の課題のひとつは食のライフラインの確保」だと指摘する。

 妻を膵臓がんで亡くし1年が経つ63歳の男性。長年保険会社に勤めていたが、50歳を過ぎてから子会社に出向し、妻が亡くなったときは定年後、今の独立行政法人に再就職したばかりであった。
 定年になったらのんびり温泉にでも行こうと言っていた、そんな矢先の妻の死。「ずっとふたりで生きていくんだろうな」と信じ込んでいたとその男性は語る。

 自宅通勤組だったその男性は家事をずっと妻に任せっきりだったため、自炊どころか自分の靴下のありかもおぼつかないというありさまだった。
 そのため、妻の死後の食事はコンビニ頼り。深酒も重なり、3ヶ月ほどで倒れ入院するハメになる。退院後は学生時代の自炊を思い出し、少しずつ簡単な料理を作るようになっていったという。

 熟年離婚が増えているというが、その分だけ、男性の「おひとりさま」も増えているということになる。食事だけではなく、家事、お金の管理、介護から人間関係、趣味など様々な問題が一気に圧し掛かってくるというわけだ。
 本書は主に定年前後の男性向けに、その実情や困ったときに役立つ情報が執筆されているが、若い年齢のうちから読んでおいても損はない。

 「できない」より「できる」に越したことはないし、「知らない」より「知っている」に越したことはない。危機感を与えてくれる一冊だ。
(新刊JP編集部/金井元貴)

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