「現代人はテクノロジーに支配されている」

 こう話すのは、脳機能学者の苫米地英人氏。苫米地氏はテクノロジーに支配されている例として、以下のような点を挙げます。

 「朝、目覚めたら、まっさきにメールやツイッター、ブログをチェックする」
 「携帯電話を家に置き忘れたりすると、何とも言えない不安を感じる」

 これらのことに思い当たる人は、"デジタル・テクノロジー信仰"、あるいは"デジタル・テクノロジー依存症"に陥っている可能性があると、苫米地氏は言います。あくまで仮想の世界に過ぎないものに、現実以上の重要性を感じてしまうこの状態を解くカギは、ネットの持つ過剰な「臨場感」にあるそう。

 「デジタル・テクノロジーの進化によって、私たちは情報空間に強い臨場感を感じるようになりました」(苫米地氏)

 映画『マトリックス』の世界観を想像してみると、わかりやすいかもしれません。映画の中で主人公は、人類が現実だと思っていた生活世界が、実はコンピューターが作り出した仮想現実であり、本物の人類は脳にケーブルを差し込まれ、眠らされているということを知ります。情報化が進みすぎた結果、人類の"現実"が苫米地氏の言う「情報空間」に飲み込まれてしまったのです。このような世界のことを、苫米地氏は「超ネット社会」と呼び、その危険性に警鐘を鳴らしています。

 もっとも、『マトリックス』のような「超ネット社会」はまだまだ到来することはなさそうです。とはいえ、映画のように「コンピューターが人間を支配している」という設定は極端だとしても、ネット空間に現実以上の臨場感を感じながら生活している姿は、現代社会にどこか似ているところがありませんか?

 ツイッター、ブログ、ミクシィ...。ネットで多くのユーザーを集めるこれらのサービスは、いつ、どこでも、誰とでもつながることができる「リアルタイム感」を売りにしています。もちろん、メールや携帯電話だってそのひとつです。

 こうしたものは確かに便利ですが、あまりに依存し過ぎると、現実を見失ってしまう危険があると、苫米地氏は警告しているのかもしれません。



『「超ネット社会」で絶対成功する脳と心のつくり方』
 著者:苫米地英人
 出版社:PHP研究所
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