マンガは今や日本の教養 文学者がマンガを批評する一冊

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 「マンガやアニメばかり見てないで勉強しなさい!」と子どもの頃、親に怒られたことのある人は多いのではないだろうか。以前は「マンガ=遊び」というイメージが少なからずあったが、近年、マンガやアニメをめぐる状況は大きく変わっている。

 例えば、アメリカにおける日本アニメの市場規模は2003年のピーク時で48億ドルに達した。また、マンガの方はというと、『ICv2白書』によれば、2007年の年間売上2億1千万ドルがピークとなっており、その後は減少しているにしても、これらの数値は日本のアニメやマンガが輸出産業として海外に通用することを示した。

 一方、国内では、大学の授業やゼミなどでマンガやアニメを“教養”として勉強するようになったという。

 『マンガの教養』(中条省平/著、幻冬舎/刊)は、フランス文学者で手塚治虫文化賞選考委員を務める著者、中条省平氏自身が個人的に愛するマンガから全100冊を選び、1冊1冊を批評していくという本だ。
 例えば井上雄彦氏の作品からは『バガボンド』が選ばれており、主人公・武蔵の印象的なセリフや作品の歴史性などが紹介されている。ほかにも水木しげる氏の『ゲゲゲの鬼太郎』やさいとうたかを氏の『ゴルゴ13』などが批評されているが、真面目に解説されており、さながら文芸批評や映画批評に通じる印象を受ける。

 こうして、マンガに対して真面目な批評が加わっていくことで、日本の教養としてさらに磨きがかかっていくのではないだろうか。マンガ好きにはチェックして欲しい1冊だ。
(新刊JP編集部/田中規裕)

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