WBA世界バンタム級2位の亀田興毅(亀田ジム)が、12月26日、さいたまスーパーアリーナで行なわれた同級5位のアレクサンドル・ムニョス(ベネズエラ)との王座決定戦で、3-0の判定勝ちを収めて王座奪取。日本初の3階級制覇を達成した。

 過去に2階級を制した日本のジム所属選手はファイティング原田、柴田国明、井岡弘樹、畑山隆則、ホルヘ・リナレス、粟生隆寛、長谷川穂積と、興毅を含め、わずか8人しかおらず、その上を行く3階級制覇は、日本ボクシング界ではまさしく偉業。

 にもかかわらず、ボクシング業界内の反応は冷ややかというのだ。その理由は亀田陣営の手法にある。興毅が世界を奪取したタイトルマッチ3戦中2戦が王座決定戦であること。決定戦での王座獲得は、現役の世界王者を下したわけではなく、その価値も薄れるとの考え方がある。今回の対戦相手はランキング5位の選手で、陣営が“勝てる相手”を選択したとの見方も根強くある。

 また、興毅が狙ったバンタム級の層の薄さも評価を下げる要因となった。今まで、興毅は2階級下のフライ級だった。飛び級したからには、それなりの理由があった。バンタム級の王座は現在空位、元王者・長谷川が階級を上げるなどして、この階級は人材不足となっていたのだ。

 興毅は近い将来、スーパーフライ級に1階級落として、4階級制覇を狙う意向を明らかにしたが、なぜ、最初からスーパーフライ級を狙わなかったのかの疑問が残る。

 日本人初の2階級制覇を成し遂げた原田は、興毅の3階級制覇を評価する一方で、「当時とは階級制が違う」と発言。原田が2階級を制した65年当時は8階級しかなかったが、今やボクシングは17階級にまで増えた。原田の時代に1階級上げると、かなりのウエイト増がしいられ、階級数が少ない分、人材もあふれていた。日本初といえ、昔と今では比較対象にはならないのだ。

 本来なら、称賛されてあまりある快挙なのだが、業界内で評価されないというのは寂しすぎる。
(ジャーナリスト/落合一郎)

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