2010年も残りわずか。当連載の今年の締めくくりとして、ゲーム業界を研究している識者の皆さんと、今年のゲーム業界について語り尽くしてみたい。

 主な論点は、マクロ経済の視点から見た業界、技術的進化から見た展望、業界の将来を明るくする業界組織のあり方の3つ。3つの観点において、小山友介・芝浦工大准教授、井上明人・国際大学GLOCOM研究員、藤原正仁・東京大学特任助教にそれぞれ業界ニュースベスト3を挙げてもらい、今年の業界を検証した。


小山芝浦工大准教授が選ぶ
業界ニュースベスト3
1位 任天堂ハードでのソフト売上失速
2位 ソーシャルゲームの鼻息の荒さ
3位 FF14立ち上げの失敗小山友介(こやま ゆうすけ)Profile
1973年生まれ。芝浦工業大学システム理工学部准教授。2002年京都大学大学院博士課程修了(経済学博士)。東京工業大学助教等を経て現職。東工大時代に経済シミュレーション研究に従事、コンピュータサイエンスの知識を生かしゲーム産業研究を行なう。

筆者(石島):まずは、マクロ経済の視点による「業界ニュースベスト3」からです。1位は「任天堂ハードでのソフト売り上げの失速」ですが、その理由とは?

小山:ゲーム業界をリードしているのは、なんだかんだいっても結局は任天堂です。任天堂がくしゃみをすれば、ソフトメーカーは風邪をひくか寝込んでしまう。その影響力の大きさから、今回は1位に挙げました。

 今回の失速の大きなポイントは二つあげられると思います。一つ目は、現在が新ハードへの切り替え時期に当たっていることです。1990年のファミコンからスーパーファミコンへ、2001年のゲームボーイからゲームボーイアドバンスへの切り替え時を見ても、任天堂は新ハードへの移行はいつも慎重です。それでも当時は成功しましたが、今回はちょっと苦戦しそうな感じですね。

 二つ目は、世界的に各家庭にハイビジョン(HD)対応テレビが普及した結果、標準画質(SD)ゲーム機である「Wii」の画面が見劣りすると思った人が増えてきたことで、専用ソフトの売上を鈍らせてしまった。特に日本では、地上波デジタルとエコポイントの導入という「逆風」の影響が非常に強かった気がします。

石島:今が切り替えの時期ということは、来年あたりに「Wii」の後継機が発表される可能性もあるのでしょうか。

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