名古屋グランパスへの手紙【鹿島・田中滋】
◆2010年・第90回天皇杯特集◆
■悔しいけど、今年は“名古屋の年”でしたね。
お帰り、ピクシー!
今回の来日は、引退する大岩剛さんに花束を渡すためなんだよね?成田から鹿島は1時間くらいなんだから、どうせなら試合前日に帰ってくれば良かったのに!!!
というわけで、2010年のJリーグは、ピクシーことストイコビッチ監督が率いる名古屋グランパスが、18年目で初優勝を果たしました。しかも、まだ3試合も残しているのに優勝を決めてしまったうえに、2位のガンバ大阪との勝点差は10。ピクシーが最優秀監督を受賞しただけでなく、ベストイレブンにはMVPを受賞した楢崎正剛を始め、増川隆洋、田中マルクス闘莉王、ダニルソン、ケネディと5人が名を連ね、まさに“名古屋の年”を印象づけました。あー、悔しい。
■ストイコビッチ監督は輝いていました。
特に、ストイコビッチ監督のカリスマ性は光り輝いていたように思います。浦和レッズを喧嘩別れして飛び出してきた闘莉王をチームの中心に据え、彼に気持ちよくプレーさせることができるのは、Jのなかではピクシーくらいしかいないのではないでしょうか。まあ、うちのオリヴェイラもKリーグとのオールスター戦では、闘莉王をどやしつけてマジメにプレーさせましたけどね。
一時は、どんどん太っちゃって「スーツのボタンは閉まるの?」と、心配になるくらいだった体型もだいぶスリムに戻りましたよね。やっぱり「ピクシー(妖精)」と言うからにはああでなきゃ。そういえば、まだ「ミスター」って呼ばせてるのかな?
とはいえ、ピクシーの英語は最高です!英会話がからっきしダメな僕らでもちゃんとわかるように、簡単な単語を駆使して語りかける様は、まさに最優秀監督に相応しい威厳に満ちた姿だったと思います。オリヴェイラなんて何を言ってるのかさっぱりわからんのに、あの鋭い眼光と眉間のしわだけで相手を黙らせてしまいますからね。こっちのレベルまで降りてきてくれるピクシーは本当に優しい!
■アグレッシブで美しいサッカー。
さてさて、ピクシーと言えば現役時代からその名の通り、華麗なプレーで僕らの目を楽しませてくれました。監督に就任してからもその哲学は変わらず、「アーセナルみたいなサッカーをしたい」と考えていたそうですね。昨年までのサイド攻撃は、両サイドバックも攻撃的で美しさを兼ね備えていました。ただ、サイド一辺倒になるきらいもあったので、それが今季、どのような進化を遂げるのか楽しみでしかたがなかったのです。まさか、その答えが、試合終盤になるとFWのケネディに加え、増川、闘莉王、ブルザノビッチという長身選手が並ぶ、アルプス山脈のような美しい稜線を描くことだとは想像だにしませんでした。まさに「アグレッシブで美しいサッカー」を貫き通してのタイトル獲得、おめでとうございます!
でも、本音を言うと名古屋みたいなサッカーをしてくれるチームってJリーグに必要だと思うんですよ。個人能力とパワーで押し切るところがあったっていいじゃないですか。どこのチームも綺麗にパスをまわして、相手を崩して勝とうなんてできるわけない。理想を持ち続けるのは悪くないですけど、誰もがそこを目指す必要なないと思うんですよね。個人的には、山形みたいに泥臭く勝点を拾っていくチームも、潔くって好感度大です。浦和やFC東京が餌食になったように、あのブロックを崩すのはなかなか難しいですよ。そういえば、どっかのチームも最終節に対戦してPKの1点しか奪えませんでしたね…。はぁ…
(続きはJマガ公式携帯サイトで)
■著者プロフィール
田中滋
鹿島アントラーズおよび東京ヴェルディを取材しているサッカーライター。掲載媒体は「J'sゴール」「エルゴラッソ」「SportsNavi」など。著書に「鹿島の流儀」「ラクロス即上達バイブル」「ジャイアントキリングを起こす19の方法」他がある。
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■悔しいけど、今年は“名古屋の年”でしたね。
お帰り、ピクシー!
今回の来日は、引退する大岩剛さんに花束を渡すためなんだよね?成田から鹿島は1時間くらいなんだから、どうせなら試合前日に帰ってくれば良かったのに!!!
というわけで、2010年のJリーグは、ピクシーことストイコビッチ監督が率いる名古屋グランパスが、18年目で初優勝を果たしました。しかも、まだ3試合も残しているのに優勝を決めてしまったうえに、2位のガンバ大阪との勝点差は10。ピクシーが最優秀監督を受賞しただけでなく、ベストイレブンにはMVPを受賞した楢崎正剛を始め、増川隆洋、田中マルクス闘莉王、ダニルソン、ケネディと5人が名を連ね、まさに“名古屋の年”を印象づけました。あー、悔しい。
特に、ストイコビッチ監督のカリスマ性は光り輝いていたように思います。浦和レッズを喧嘩別れして飛び出してきた闘莉王をチームの中心に据え、彼に気持ちよくプレーさせることができるのは、Jのなかではピクシーくらいしかいないのではないでしょうか。まあ、うちのオリヴェイラもKリーグとのオールスター戦では、闘莉王をどやしつけてマジメにプレーさせましたけどね。
一時は、どんどん太っちゃって「スーツのボタンは閉まるの?」と、心配になるくらいだった体型もだいぶスリムに戻りましたよね。やっぱり「ピクシー(妖精)」と言うからにはああでなきゃ。そういえば、まだ「ミスター」って呼ばせてるのかな?
とはいえ、ピクシーの英語は最高です!英会話がからっきしダメな僕らでもちゃんとわかるように、簡単な単語を駆使して語りかける様は、まさに最優秀監督に相応しい威厳に満ちた姿だったと思います。オリヴェイラなんて何を言ってるのかさっぱりわからんのに、あの鋭い眼光と眉間のしわだけで相手を黙らせてしまいますからね。こっちのレベルまで降りてきてくれるピクシーは本当に優しい!
■アグレッシブで美しいサッカー。
さてさて、ピクシーと言えば現役時代からその名の通り、華麗なプレーで僕らの目を楽しませてくれました。監督に就任してからもその哲学は変わらず、「アーセナルみたいなサッカーをしたい」と考えていたそうですね。昨年までのサイド攻撃は、両サイドバックも攻撃的で美しさを兼ね備えていました。ただ、サイド一辺倒になるきらいもあったので、それが今季、どのような進化を遂げるのか楽しみでしかたがなかったのです。まさか、その答えが、試合終盤になるとFWのケネディに加え、増川、闘莉王、ブルザノビッチという長身選手が並ぶ、アルプス山脈のような美しい稜線を描くことだとは想像だにしませんでした。まさに「アグレッシブで美しいサッカー」を貫き通してのタイトル獲得、おめでとうございます!
でも、本音を言うと名古屋みたいなサッカーをしてくれるチームってJリーグに必要だと思うんですよ。個人能力とパワーで押し切るところがあったっていいじゃないですか。どこのチームも綺麗にパスをまわして、相手を崩して勝とうなんてできるわけない。理想を持ち続けるのは悪くないですけど、誰もがそこを目指す必要なないと思うんですよね。個人的には、山形みたいに泥臭く勝点を拾っていくチームも、潔くって好感度大です。浦和やFC東京が餌食になったように、あのブロックを崩すのはなかなか難しいですよ。そういえば、どっかのチームも最終節に対戦してPKの1点しか奪えませんでしたね…。はぁ…
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■著者プロフィール
田中滋
鹿島アントラーズおよび東京ヴェルディを取材しているサッカーライター。掲載媒体は「J'sゴール」「エルゴラッソ」「SportsNavi」など。著書に「鹿島の流儀」「ラクロス即上達バイブル」「ジャイアントキリングを起こす19の方法」他がある。
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