海外のジョークにこんなものがあります。

 ある精神病院で、入院患者が風呂場で釣り糸を垂れている。
「どうです、釣れますか?」
 すると、患者はこう答える。
「釣れるわけないじゃないですか、ここは風呂場ですよ」

 風呂場で魚が釣れるわけがない、というのはまさに正しい論理です。しかし、この論理を展開しているのは精神病院の入院患者、つまり狂人。このジョークは「正しい論理を使える人は狂っている」ということを言っています。

 「その典型がナチスドイツを率いたアドルフ・ヒトラーでしょう」。そう語るのは、書籍『金持ちの不幸、貧乏人の幸福』の著者・ひろさちや氏。演説であれほどまでにドイツ国民を熱狂させたヒトラーの論理には、欠点はあっても、意味不明なところはありませんでした。しかし、人間らしい当たり前の感覚はなかったのです。

 そこが危険なポイントだと、ひろ氏は警鐘をならします。たとえば、1人の人間が1時間かかって穴を掘ったとします。同じ穴を2人の人で掘ったら30分、3人だったら20分を要しました。では、120人で穴を掘ったら、30秒で穴は完成するでしょうか?

 120人だったら30秒で一つの穴を掘れるというのは、論理的には間違っていません。しかし、ひとつの穴を120人がかりで掘るなんてできません。論理としてはごもっともですが、人間らしい感覚を持っていたら、「でもね......」となるところです。この「でもね......」が"人間の論理"なのだとひろ氏は言うのです。

 ひろ氏は、同書のなかで「正しい論理」ほど、危険なものはないと何度も繰り返します。正しい論理が、必ずしも人間らしい論理とは限らないのです。




『「金持ち」の不幸、「貧乏人」の幸福 』
 著者:ひろ さちや
 出版社:三笠書房
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