韓国於青島(オチョンド)沖で18日に発生した韓国海洋警察庁の警備船と中国漁船の衝突事件が沈静化に向かい始めた。中国漁船の乗組員が海洋警備艇に体当たりしたことを認め、事態は急転換をみせた。韓国メディアは「ビデオを使ったことで中国が一歩ひいた」と論じた。

 韓国の海洋警察に逮捕された中国漁船の乗組員3人は23日、事件当時韓国海洋警察の停止命令を聞いており、取り締まりに抵抗する過程で警備船と衝突したことを認めた。

 中国外交部の姜瑜報道官は23日の定例記者会見で「中国は韓国と意思疎通を行っており、協議を通じて早期に解決する」と述べた。中国漁船側の損害賠償と行方不明者の全力捜索を強く求めた21日の定例会見での強硬姿勢とは対照的だ。

 韓国メディアも姜報道官の発言に注目、「21日の強硬姿勢とはまったく違う雰囲気だ」、「ビデオ映像を提示したら引いた」などと伝えた。

 中国漁船事件発生後、韓国の外交通商部は駐韓中国大使館に事件当時のビデオと中国漁船が韓国側の経済排他的海域で違法な操業していたことを立証できるレーダーの記録を提示した。ビデオは一般向けにも公開した。韓国では、これらの証拠提示と乗組員の陳述が中国政府の強硬姿勢を一転させたと見方が多い。

 一方、韓国外交関係者は「中国政府は、対立が続く場合共同水域での中国漁船の操業がいっそう厳しくなることを考慮したようだ」と述べた。両国政府は中国漁船の転覆事件が両国の外交関係に悪影響を及ぼしてはならないという点では同じ認識を示し、早期解決のためのメッセージを交換したという。(編集担当:金志秀)



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