まるでただの友達みたいな夫婦、「ただトモ夫婦」が、いまじわじわと増えているらしい。

「リビングは"カレ領域"と"私領域"に分けている。自分の世界を荒らされたくなくて」
「1年以上、一緒に住んでいません。っていうか、一緒に住んだこと自体ない」
「最近、嫁との会話はもっぱらツイッター。友達やツイ友(ツイッター仲間)にも一度に連絡できて便利なんスよ」

 これらは、友人や恋人同士の声ではない。マーケティングライターの牛窪恵氏らが、20代〜30代の夫婦・約100人から聞いたもの。発言を見る限り、まるで一緒に住むほうが経済的にトクだからと、それだけでルームシェアする同居人のようだ。

 牛窪氏の著書『ただトモ夫婦のリアル』によれば、パパ・ママであっても、それぞれ自分ひとりの領域は守りたい、独身時代の自由を完全には失いたくない、と考える夫婦が増えているという。いったいなぜ、20代〜30代に「ただトモ夫婦」が多いのだろうか?

 真っ先に考えられるのは、男女意識の変化。いま話題の「家事夫(家事をする夫)」や「イクメン(育児に熱心なパパ)」も同世代に多いが、彼らは「男たるもの」という意識が弱い。"男女平等"の教育を受け、「男が家事を手伝うのはフツーでしょ」と考える。流行語にもなった「草食男子」も、同じ世代にあたる。

 妻の方も「女は家を守るべき」とは考えず、「共働きが時代の必然」と割り切っている。総務省「若年層の女性と定年層の就業状況」によれば、子どもが0歳〜3歳未満の時点でなんらかの仕事をもつ母親が3割以上、末っ子が小学生では7割近い。少しでも収入があれば、離婚しても「明日から食べていけない」とまではならないもの。だから何か後押しがあれば、即「解散!」ともなりやすいようだ。

 バブル期を謳歌した40代の夫婦や、高度成長に関わった50〜60代の夫婦とは、まったく異なる価値観を持つ現代の夫婦たち。もちろん、先の声が大多数というわけではないが、将来このような価値観の「ただトモ夫婦」の割合が増えた場合、その子どもはどうなってしまうのかが気になるところだ。



『ただトモ夫婦のリアル』
 著者:牛窪 恵
 出版社:日本経済新聞出版社
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