ここ数年で急速な経済成長を遂げているインド。2007年度の経済成長率は中国に次ぐ9.0%と、世界経済への影響力は増すばかりです。
 しかしインドはもともと天然資源が乏しく、カーストという抑圧的な官僚制度を持っています。どうしてそのような状態で経済成長を成し遂げられたのでしょうか。

 ペルシルバニア大学ウォートンスクールのピーター・キャペル氏、ハービール・シン氏、ジテンドラ・シン氏、そしてマイケル・ユーシーム氏によって執筆された“The India Way : How India’s Top Business Leaders Are Revolutionizing Management” (邦訳未刊行/有料Podcast番組「エグゼクティブ・ブックサマリー」にて邦訳要約版を配信中)では、そのインドの急成長の要因を“インドウェイ”と名づけ解き明かしていきます。

 彼らはインド国内の大企業の上級管理者100人以上にインタビューに行った結果、成功の要因の中には、もちろんインド特有のものもあるが、先進国で新たなビジネスモデルの基礎を作るアプローチがあると結論付けます。

 “インドウェイ”の象徴的なものの1つが、2008年11月にムンバイで発生した同時多発テロにおいて発揮された、粘り強さと確固たる信念です。
 このとき、インドのトップビジネスマンの1人であるアニル・D・アンバニ氏はマンモハン・シン首相からムンバイに留まるように依頼されます。何故危険なところにトップビジネスマンが留まるように言われたのか。それは、“国家の安定性を示す目に見える光”として、でした。さらにアンバニ氏は留まっただけでなく、テロ被害に遭った場所をグループでジョギングし、ムンバイの回復力を示します。

 このように、インドのビジネスリーダーたちは、自分達が国を代表するという役割の重要性に気づいています。そして、政治家や国民もそれを知っているため、企業リーダーたちに資金を注ぐのです。これは経済破綻で信用を失った欧米企業のトップたちとは対照的だと本書で指摘されています。
 自らの企業のことだけでなく、国の問題においてもリーダーシップを重要視することは“インドウェイ”特有の哲学です。「国家あっての国民」「国を支えるのは企業の成長」という信念が、インドの経済成長を支えているのです。

 経済不況から一向に抜け出すことはできず、さらに政治はバラバラ。そんな日本は、もしかしたらこの“インドウェイ”を学ぶべきなのかも知れません。
(新刊JP編集部/金井元貴)

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