『KAGEROU』好調なスタート ネット上では批判の声も

写真拡大

 ついに今日、俳優・水嶋ヒロさん(筆名=斎藤智裕)が執筆し、第五回ポプラ社小説大賞を受賞した『KAGEROU』(ポプラ社/刊)が全国で一斉発売された。
 ポプラ社によれば累計受注数は43万部にのぼったといい、これは昨年を代表するベストセラー『1Q84』(村上春樹/著、新潮社)のBOOK1と2を合わせた38万部を超える数字となっている。

 そんな追い風を受けて、本作は各書店でも大きく並べられた。紀伊國屋書店新宿本店では、歩道に面した1Fの入り口に幟を置き、大々的に展開。また、店内の各箇所に『KAGEROU』コーナーを設置し、若い女性からお年寄りまで幅広い年齢層が本を手に取り、興味深くページを開いていた。
 また、ある都内のチェーン書店では午前中に平積み分が完売。お昼頃に再入荷するなど、まさに“お祭り”状態だ。

 しかし、こうした状況も長く続かないのではという指摘があがっているのも事実だ。書店関係者からは「内容がついてこないと長くは売れない。こうした状況が今後続くかは分からない」という懸念のほか、「おそらくは発売直後の2、3日が勝負だと思います」といった声も聞かれた。
 さらに、インターネット上では、「(受賞は)出来レースでは」という批判が噴出しており、決して順風満帆とは言えないようだ。

 『KAGEROU』は、リストラに遭い、飛び降り自殺を図ろうとする中年サラリーマン・ヤスオが、全身黒ずくめの男に出会うシーンからスタートする。
 自殺や臓器移植など、一貫して“命”に関するテーマが持ち出され、現実世界を舞台にしつつ、時折ファンタジーの要素が織り交ざる、エンターテインメント小説に仕上がっている。

 これほどまでメディアなどに大きく取り上げられる書籍はあまりなく、出版業界の活性化の起爆剤として期待したい一冊であることは間違いないだろう。しかし、風当たりが強いのも事実。この『KAGEROU』現象はいつまで続くのだろうか。
(新刊JP編集部/金井元貴)

【関連記事】  元記事はこちら
のりピー自叙伝に厳しい評価
人気俳優・成宮寛貴さんにインタビュー
「『もしドラ』ヒットの要因は人々がドラッカーを求めていたから」
最も秀逸な“本のタイトル”が決定! 「日本タイトルだけ大賞2010」レポート

【新刊JP注目コンテンツ】
新刊JP特集 『専門医が伝える40代からの幸せセックス―あなたの「本当の快感」を探す旅へ』
新刊JP特集 織田隼人 特設ページ