丸善 丸の内本店 田中大輔さんに聞く『私のフロア(お店)では今年、こんな本が売れた! 2010年売れた3冊』
 世の中にはあんな本やこんな本、いろんな本がある。そのテーマも十人十色。「感動したい本が読みたい!」「思いっきり怖い本を味わいたい」と思っても、 どんな本を選べばいいのか分からない! とお悩みの方も多いはずでは?
 そんなときにあなたの味方になるのが書店員さんたちだ。本のソムリエ、コンシェルジュとしてあなたを本の世界に誘ってくれる書店員さんたち。
 そんな彼らに、テーマごとにお勧めしたい本を3冊答えてもらうのが毎週水曜日に配信する、この「わたしの3冊」だ。【「わたしの3冊」バックナンバーはこちらから】

 12月のテーマは『私のフロア(お店)では今年、こんな本が売れた 2010年売れた3冊』。書店員さんに担当しているフロア(お店)で今年、評判の良かった本を紹介して頂く。
 今回は丸善 丸の内本店1Fの和書フロアを担当する田中大輔さんに選んでいただいた。


◆『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』

著者:岩崎夏海
出版社:ダイヤモンド社
定価(税込み):1680円

言わずもがな今年を代表する1冊。正式なタイトルを知らずとも『もしドラ』という本のタイトルはどこかで耳にしているのではないでしょうか?正直なところ、この本に関してはどこの本屋さんでも売れている本だと思うので、ここで紹介するまでもないとも思ったのですが、こんな売れ方をしたビジネス書は過去になかったので、その異常な売れ方を知ってもらおうと思って紹介しました。
この本が発売されたのは去年の12月末。この装丁にひるんで、初回の仕入れはそんなに多くはありませんでした。しかし発売して数日で仕入れた大半が消化。即補充をお願いしたのだけど、年末年始で商品が入荷したのは年明けと大失敗。そこからこの本の快進撃は続きます。失敗を挽回しようと大量に仕入れた商品が店頭に並んでからというもの、1日の売上が10冊を割ったことはほぼ皆無、それはいまでも続いています。そして今年1年の累計売上は約5000冊となりました。
この売れ数は丸善・丸の内本店がオープンしてから6年で一番売れていたビジネス書、『ブルーオーシャン戦略』の売上を1年で抜いてしまいました。またこの本がもたらしたドラッカー効果は凄まじく、本著に出てくる『マネジメント』も年間2000冊くらい売れました。まさに怪物。いつまでこの快進撃は続くのでしょうか?

◆『20歳のときに知っておきたかったこと』

著者:ティナ・シーリグ、翻訳:高遠裕子
出版社:阪急コミュニケーションズ
定価(税込み):1470円

この本もはじめの仕入れに失敗した本です(苦笑)。初回の指定が漏れていたのか?他の者が頼んでいたのか、定かではありませんが、初回入荷はなんと10 冊!ひっそりと自己啓発の棚前に積まれていました。そのまま気づかれないでいたらと思うと恐怖で鳥肌が立ちます。
この本を発見したのは当店のグループ長。棚前にひっそり積まれていたこの本を一目みて、これは間違いなく売れる。すぐに1000冊取れ!とおっしゃいました。1000冊って!そりゃ無理ですよ旦那…と心の中で思いつつ、売れそうというのは私も同感だったので、確か300冊か500冊をお願いした記憶があります。しかし初回の配本で全てまききってしまっていたため、出版社には在庫がなく、重版分からの補充ということになり、当店で仕掛け始めたのは発売から2週間〜1ヶ月くらいあとのこと。ただそれでも大丈夫だと思っていました。自分の頭の中ではこの本は当店のロングセラー『ハーバードからの贈り物』(累計売上約2000冊)に似てるというイメージだったので(装丁にどちらもカモメがいるという共通点もありますが…)短期間に大量に売るというような本ではなく、長く売れ続ける本だろうと思っていたのです。
結果的にはそのとおりとなり、発売から7ヶ月で1700冊を売りあげ、現在でも週売20冊前後を続けています。きっと、この本は10年後でも棚前に平積みされ続けている名著になると思います。さらに個人的には今年のベストビジネス書はこの本です。

◆『カリスマ同時通訳者が教えるビジネスパーソンの英単語帳』

著者:関谷英里子
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン
定価(税込み):1575円

今回紹介する中で、唯一自分の実績だと自信を持って言えるのはこの本だけです(苦笑)。もちろん、この本の他にも中小ヒットは仕掛けていますが、これに関しては完全に私の独断と偏見で展開をして1000冊以上の売上をあげたので印象深い本です。きっかけとなったのは著者の関谷英里子さんの来店。(書店訪問で版元の方と色々な書店を回られていたようです。)その際に担当者の許可も得ず勝手に100冊の補充をお願いしました。だって美しい女性にはいいとこを見せたくなるのが男の性というものですから…ってそれは冗談です。
もともと語学の商品なのでビジネス書を展開しているフロアには、新刊を展開しているところの奥にひっそりと1面だけ平積みになっていました。ただ日々そこの商品が減っているのを認識していたので、直感でこれはいけると思ったのです。そして補充分が入荷して大きく展開したら、これが面白いように売れていく。確か展開した初日に20冊くらい売れた記憶があります。その売れ数をみた語学の担当者が500冊!という思いきった補充をとったことで、勢いは加速。その後半年くらいで1000冊以上売れました。ただ、この本が売れたことをきっかけに似たタイトルの本が乱発して、全体的にこういった本が売れなくなってしまったのがとても残念です。

◇   ◇   ◇

【今回の書店】
丸善 丸の内本店

今回3冊をご紹介頂いたのは丸善 丸の内本店1F和書フロアの田中大輔さん。ブックアドバイザーとしてお客様の本探しの手助けをしているそうです。もし「こんな感じの本が読みたいんだけどいいのないかなあ」と困ったら是非聞いてみてください!

住所:千代田区丸の内1-6-4 丸の内オアゾショップ&レストラン1〜4階
TEL:03-5288-8881
FAX:03-5288-8892

■アクセス
JR東京駅丸の内北口より徒歩1分、地下鉄丸の内線東京駅より徒歩5分

■営業時間
9:00〜21:00

■ウェブサイト
http://www.maruzen.co.jp/top/index.html


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