中国(尖閣諸島)、ロシア(北方四島)と並んで、日本の領土を脅かしているのが、竹島(韓国名・独島)を実効支配する韓国だ。“最も近い隣国”の韓国でも看過できない不穏な動きがある。韓国に対しての謝罪談話で「未来志向の日韓関係」を唱えた菅直人首相にこそ直視してほしい現実をフォト・ジャーナリストの菊池雅之氏がレポートする。

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 韓国が2007年より配備し始めた最新の潜水艦「孫元一(ソンウォンイル)」級の3番艦には、日本を意識した名前が与えられた。その名は伊藤博文をハルビンで暗殺した「安重根(アンジュングン)」である。さすがにこの名前を付けるに当たっては、韓国海軍内でも意見が分かれたという。そもそも安重根はテロリストであり、王様でもなければ軍人でもない。しかし民族の「英雄」であることに違いはないという理由で決定。潜水艦「安重根」は、2009年12月に就役し、配備に向けた習熟訓練を終え、実戦配備されている。

 海軍艦艇の名前ほど露骨ではないものの、空軍や陸軍の装備は、やはり「日本」がメルクマールになっている。

 近代化を推し進めている韓国空軍は、航空自衛隊が次期主力戦闘機の選定に悩んでいる間に、F-15Eストライクイーグルの配備を決定した。この戦闘機は、航空自衛隊も配備するF15に対地攻撃能力をプラスした最新バージョンだ。やはりここでも「日本よりも上」であることが重要のようだ。韓国空軍では、F15Kスラムイーグルとして約40機が調達されている。

 ところが2006年6月、このF15Kが日本海上空で夜間訓練中に墜落するという事故が発生。対地攻撃用のミサイルを翼に抱えた韓国軍機が日本海を自由に飛びまわっている事実が発覚した。

 韓国陸軍においても、例えば地対地巡航ミサイル「玄武」は、射程500キロメートルも及ぶ。北朝鮮向けの対地ミサイルとされているが、射程1000キロメートル、さらに1500キロメートルのミサイルも開発中とされている。射程1000キロメートルあれば、日本の本州がすっぽり入ってしまう。スペック上は、北朝鮮の軍事力を軽く凌駕し、日本、さらに中国をも標的にすることが可能なのだ。

 最前線に投入される特殊部隊など、現場レベルの兵士に目を向けてみれば、さすがにあからさまに日本を敵視した訓練は行なってはいないが、一朝有事となかった。だが、一気に打倒日本に傾く可能性は十分にある。

 我が国の国防を考える上で、“日本に追いつき追い越せ”を目標に拡大し続ける韓国軍の動きから目を離せない。

※SAPIO2010年12月15日号