老若男女様々な人たちが集まり共通の目的のために働く場、それが会社という組織だ。
 そういった幅広い年齢の人たちが集まるが故に起こるのが“ジェネレーションギャップ”、つまり世代間のすれ違いである。

 しかし、アメリカのリーダーシップ研究者、ジェニファー・J・ディール氏は著書“Retiring Generation Gap:How Employees Young & Old Can Find Common Ground”(邦訳未刊行/有料Podcast番組「エグゼクティブ・ブックサマリー」にて邦訳要約版を配信中)において、ジェネレーションギャップは実は世の中で単に大げさに扱われているだけで、全ての従業員はほとんど同じものを求めていると指摘する。

 ディール氏は7年間かけ、3200人以上の従業員に対して調査を行った。そして、企業の従業員間におけるジェネレーションギャップには以下のような原則があることを突き止めたという。

■すべての世代は類似した価値観を持っている;表現方法が異なるだけである。
 世代は異なる価値観を持っているという考えは誤った概念である。調査回答者に40個の選択肢の中から自分が最も大切にしている価値観を選んでもらったところ、すべての世代で最も多かった回答は、家族、誠実さ、成功、愛、能力、幸福、自尊心、賢明さ、責任、そして仕事と私生活とのバランスを取ることであった。

■変化を本当に望んでいる人間はいない
 調査の結果、2300人の回答のうち、わずか12人しか変化に対し好ましい回答をしなかった。世代に関係なく、多くの人が、変化は嬉しくない出来事であり、業務プロセスを妨害し、業務量を増やし、報告手順に影響を与え、従業員の削減を行い、リソースを制限すると考えていている。

■忠誠心は、世代ではなく企業が何をするかによって左右される
 企業への忠誠心も実は世代の影響を受けているわけでない。本当の問題は、従業員がどのくらいの期間組織に勤めなければならないと考えているかである。一般的に、若い人より年配の人の方が忠誠心は高いと言われるが、これは若い従業員は、企業が拡大しチャンスが沢山ある時に職を変える傾向にあるためだ。

 他にも7つの原則を突き止めているが、これらの原則はアメリカでの調査結果から解き明かされたものであり、日本では当てはまらない部分もあるかも知れない。しかし、もちろん日本にも通じるものもあるだろう。
 ディーン氏は、世代が異なると価値を表現する方法が異なる場合が多くあり、それが原因となってギャップが生まれる場合があることを指摘するが、確かにしっかりと話してみると、全く自分と違った考えを持っていると思っていた人が、実は似た考え方をしていたということもある話だ。

 もし社内のジェネレーションギャップに悩んでいたら、逆に“世代”という縛りをなくして考え、その上でじっくりと話してみてはいかがだろうか。実はみんな、同じようなことを考えているかも知れない。一番気をつけるべきは、「世代が違うから」という理由で思考を止めてしまい、別のところにある問題を見落としてしまうことだ。
(新刊JP編集部/金井元貴)

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